2013年12月18日水曜日

大型カメラグリップ MCG-2導入


現在のメインカメラ、E-PL5用に大型カメラグリップ MCG-2を導入しました。
大型といってもちょっとでっぱるくらいで大して大型でもなく、まぁノーマルグリップよりは指をかけられるというぐらいです。
実際に使うときは、撮影時は人差し指だけ、持ち運ぶときは指二本をかけています。
グリップした感じ
これでもホールド性能は抜群にアップ。
先日息子のお遊戯会で、マウントアダプター+Zuiko Digital 50-200mmをつけて使いましたが、これまでよりも格段に使い勝手がよくなりました。
なんといっても、このレンズをつけたカメラを片手で持てるのがうれしいです。
もともと、私のE-PL5自体が、フジヤカメラで中古のグリップ欠品のもの、つまり金属面むき出しのつるつるのものだったので、特にそう思うのですが・・・
E-PL5+ZD50-200
(左:元の姿、右:グリップとビューファインダー装着後)

E-PL5はいいカメラだと思うのだけど、これまで使っていたE-3と比べると絞り、露出補正、感度設定などの操作性が格段に劣るのは否めません。基本的に設定をあまりいじらず撮るユーザー向けの、エントリーモデルだからしょうがありません。

これまでは、望遠レンズを使うときには、持ちにくい上に設定が変えにくかったりして、あまりにじれったくてE-3に付け替えていたりしていました。しかし、家に帰って写真を見ると、やっぱり画質、とりわけ高感度画質は6年前の最高性能モデルE-3よりも、イマドキのエントリーモデルE-PL5のほうが格段によく、たいそうがっかりしたことが何度もありました。
今回のグリップ導入で、こうしたストレスはだいぶなくなるような気がします。

お金さえあればE-M1を手に入れるのが正当な解決法だとは思うのですが、このグリップに2,600円を払うかどうかすら悩んだ私にはない選択肢でした。
こちらは、5年後くらいに中古で購入かな~。

2013年12月17日火曜日

イチローの一言

魚とは全然関係ないのだが、昨日、NHKの「仕事の流儀」でイチローがこんなことを言っていた。

よく自分は強いと言われるけれど、自分には自分の弱さしか見えない。
けれども弱さと向き合う自分はいる。
たとえば薄いピンクのシャツを着て、クラブハウスに行く。
すると、それをほかの選手が似合わないとバカにする。
これを、聞き流せるのが強いのかもしれないけれど、自分は「ちきしょう」と思って翌日はもっと濃いピンクの服を着ていく。
そうすると、人は何も言わなくなるんだよね。
これは多分、弱いからそうしているのだと思う。
けれど、そこで白を着ると自分の負けになる。
こうして弱さと向き合うことが強いと言うのであれば、強さなのかもしれない。

なんだかまどろっこしいイチロー特有の言い回しなのだが、自分にはこれがとても響いた。
たぶん、これは自分にもっとも欠けている精神なのだと思う。

2013年12月16日月曜日

小屋掛けオトリ投網漁

富山県、神通川の河原には、秋になるとブルーシートなどでできた簡素な小屋が立ち並ぶ。
これは川に遡上するサケを捕獲するために設置されるものだ。各小屋には捕獲の免許証が掲げられている。

「昨日、一昨日で30くらいとれたかな」、漁をするおじさんは、そう話してくれた。


~~
この小屋は、投網を用いたサケの捕獲に使われる。
小屋の前には、生きたサケを紐にくくって”おとり”として川につけておき、その状態で小屋の中に入り、しばらく待つ。
すると、”おとり”につられて他のサケが寄ってくる。そこを投網で捕まえるのだ。
川でのサケ投網漁は、東北、北陸、関東、いずれの地域でも見かける比較的一般的な方法である(北海道では見たことはない)のだが、神通川でのサケ漁は”おとり”を使う点でやや特殊と言えよう。この漁は、「小屋掛けオトリ投網漁」と呼ばれる。

使われている投網
対象魚がサケなので、目合いはかなり大きい。
さて、私は仕事での縁あって、数年にわたり神通川に訪問させてもらっている。サケ漁を見るのも今年が初めてではないのだが、これまでずっと気になっていたことがあった。
それは、”おとり”として使うサケの性別だ。

この漁を行う秋は、言うまでもなくサケの産卵期である。漁の方法から考えると、産卵期のサケには他の個体に寄って行く習性があるのは事実だろう。それも、時期からして、オスとメスが寄るだろうというのが素直な発想だ。

これまで、私の頭の中でサケの産卵は、「メスが産卵場を決めて産卵床を掘り始め、そのメスをめぐってオス同士が争う」、そんな図式が出来上がっていた。
もしこの図式が正しいのだとすると、”おとり”にすべきはメスであろう。メスに群がるオスの習性を利用するのが自然だ。

しかし、不思議なことに、実際にみた”おとり”の多くはオスだった。
サケ漁をされている方の一人に尋ねると、「オスでもメスでもどっちでもいい。オスをつけとけばメスがくるし、メスをつけとけばオスがくる。」そんな答えが返ってきた。

”おとり”のサケ(オス)
しかし、数を見れば見るほど、”おとり”はオスが多い。
オスを使ったほうがよいと考える漁者が多いのは間違いない。

今年、周りにまだ他の個体が集まっていない、オスの”おとり”の、成り行きを見る機会があった。
しばらく、その”おとり”を見ていると、まもなくメスのサケが訪れ、その近くで産卵床を掘り始めた。
やはり、メスは産卵場を決めるにあたってオスを確認しているようだ。どうやら「メスが単独で産卵場を決める」という図式は違うらしい。
オスが場所を決めているとも言い切れないのだが、少なくともメスが産卵場を選ぶにあたってオスの存在は重要な要素になっているに違いない。
このあたり、つきつめるともう少し面白いことがわかってきそうだ。

紐で繋がれたオス個体の横で、産卵床を造成するメス個体
なお、漁はサケのみでなく、サクラマスについても同様の方法で行われている。この場合も、やはり”おとり”にはオスが多く使われているように思う。

”おとり”のサクラマス。こちらも使われるのはオス個体が多い。
神通川では川のあちらこちらで、このような漁が行われているわけであるが、日本全国レベルで見ると、ここまで川のサケ漁が盛んな場所はあまりない。
脂ののった海のサケや海外のサーモン類が市場に大量に出回る昨今、あえて川のサケをとる必要はないのだろう。川のサケは人工授精用の採卵個体というイメージが強い。

神通川は有名な”富山のマス寿司”の本場であり、古くから根付くサケマス文化がある。それゆえ、今なお川でのサケ漁が残ったのかもしれない。捕獲されたサケは、漁獲量から考えても流通するような性質のものにも思えず、多くは自家消費だろう。
つい最近まで私は、「川のサケは脂が抜け、臭みがあっておいしくない」、と思っていた。これは、食べた後の感想ではなく、あくまで伝聞情報を断片的に集めた先入観だ。
ところが、2年ほど前だろうか。川のサケを食べる機会があった。食したところ、その味は上質な白身魚のようで大変に美味に感じた。もう一度食べたいと思うのだが、なかなかに手に入る機会がない。
ちまたでは、採卵後に肥料にしたり、捨てられたりされているという話も聞くのに・・・。
海での漁獲技術が未熟であった頃は、海のサケよりも川のサケのほうが一般的でだったのであろうが、今となっては川のサケは、金を払ってもなかなか食せない”幻の味”となってしまったようだ。

2013年12月13日金曜日

サケ見ノススメ

12月も中頃を迎え、だいぶ気温も下がってきました。紅葉もどうやら終わった感じです。
「そろそろ出歩く季節は終わりかな・・・」、あるいは「冬鳥観察に専念しようかな・・・」、そう考えていらっしゃる方も多いかと思います。
しかし、チョットお待ちを!
関東地方では今、サケが産卵真っ盛り、つまり観察最適期を迎えているんです。


~~
「関東のサケ」
”サケの産卵が見られる場所”と聞いてイメージするのは、北海道や東北、北陸地方などの北国ではないでしょうか?
私もわりあいと最近までそう思っていました。
ところが、ここ数年、関東の各河川でサケの遡上量が著しく増加しいるのです!
たとえば、埼玉県行田市にある利根大堰では、魚道のサケ遡上数を全数カウントしています(利根大堰ホームページ)。
この結果を見るに、平成17年には2000個体程度だったのが、年々増加し、今年、平成25年はシーズン途中にもかかわらず18,000個体。
この8年で実に9倍にも達しているのです。
事実、私は先月から東北地方、北陸地方の様々な河川でサケを調査していましたが、へたすると関東の河川のほうが遡上量は多いんじゃないかと感じています(捕られている量が少ないだけかもしれませんが)。

サケの見所はなんと言っても産卵!
(陸上からだって卵まで写る!)
「オススメスポット」
生物を観察するに当たって、場所選びは最も重要なポイント。
前述のように関東の河川にはサケが多く遡上しているのですが、どこに行けば産卵が見られるのでしょうか?
関東でサケの遡上が多く見られる川を3つ挙げるとすれば、私は那珂川、久慈川、利根川をチョイスします。なかでもおすすめは利根川です。
特に、先述した埼玉県行田市にある利根大堰では、堰の下流で多くの個体が産卵行動をしているのを目撃しています(11/30確認)。
ここは、川へのアプローチも容易です(私も子供数人を引き連れていきました。駐車場もあります。)し、堰の魚道には魚道を横のガラスから覗ける観察窓があって、運が良ければ魚道を遡上するサケの姿を見ることもできます。
他の川も、一応観察しやすい場所をいくつか知ってはいるのですが、利根川に比べるとアプローチのしやすさやサケの量などを総合的に考えるとやや劣るのでここでは紹介しないでおきます。

逆に、安全性が高くてサケが見やすいオススメの場所があればこっそり教えてほしいっす・・・

死亡個体も独特の迫力を持つ
(上の堰は利根大堰)
「観察に必要なもの」
サケを見るのに特別な道具はいりませんが、偏光グラス(サングラス)があると水面反射が押さえられ、水中の観察がしやすいです。
また、カメラがあればさらに楽しみの幅は広がると思います。カメラは、それこそ何でも良いのですが、レンズ交換式カメラにPL フィルター(偏光グラスと同じような役目を持つフィルター:レンズとは別売りです)をつけた200mm(35mm換算)くらいの望遠レンズがあれば確実に楽しめると思います。
私は陸上からサケを撮るときは、とにかく被写体ブレを抑えるようにシャッタースピードが最低でも1/250以上になるように、感度設定、露出補正、そして時にはフィルターを外して撮影をしています。このあたり、ネット上には上手にサケを撮られている方がたくさんいますので、参考にしてみるのをオススメします。

オス同士の闘争
(水しぶきが上がっているところはだいたいこの行動が見られる)
「おわりに」
最後に、ひとつ気をつけていただきたいのは、サケの遡上や産卵は映画やテレビのように、我々に見せるためにするものではありません。ですので、川では「サケがどこでなにをしているか」を考えたり、面白いと思う行動・事物を自分で探さないと、なにも見えてきません。せっかく行っても「来てみたものの、ただの川なんですけど・・・」で終わってしまうのはちょっとさみしいです。
サケの産卵という、自然界の一大イベント。見ようと思えば、いくらでも発見はあると思うので、ちょっと前のめりくらいの姿勢で川に行ってもらえれば楽しいと思います。ま、自然観察が好きな人なら「なにをいまさら」という話でしょうけど。

サケの産卵は、例年通りだとすると、今がピークの終わりくらいでしょうか。
観察するなら今週末くらいが最後のチャンスになりそうです。
見ておかないともったいないですよ~(・・・って思うのは私だけ?)。
少しでも興味のある方は是非行ってみてください!

追記:2013/12/15の情報によりますと、もうほぼ終わりだとか・・・残念。来年に乞うご期待!

THE NAKED APE(裸の猿:Desmond Morris著) 覚え書き:第二章


 第二章:セックス
この章では、タイトルどおり、人間の性に関する形態、行動について、他の霊長類との比較をから特徴の説明をしています。
あっさりと内容を要約するとこんな感じなのですが、読んでみるとまぁ、なかなかに仔細な表現。
性行為の説明のところなど、電車内で読んでいて、つい誰も見ていないか確認したらほどです。と、同時に、『ほぅ。外人さんもそんな感じで…』なんて妙に感心もしたりして。

この章の内容は、人間の性行為、性的形態に動物学的に切り込むという、ある種のタブー破りの側面もあるためか、全体的にいささか挑発的に誇張しているのでは…という表現もなきにしもあらず。
しかし、読めばまぁ、大筋は『うーむ、なるほど』と思わせられる内容で、他の霊長類との比較で論じられると、それなりの説得力はあるように思います。
なんというか、エロいエロくないという話はおいておいても、この章を読むと人間にとっての性行為は、社会生活を営む上でものすごく重要なものなのだなと感じさせられました。

この本を読んだ勢いそのままに、周りの人に、突然「人間が他の猿と違って毛がないのはさ、セックスを最大限魅力的にするために進化したからだって知ってた?」なんて聞いたら、唖然とされる、あるいは相手によっては引っぱたかれそうです。
が、相手がこの章を読んだ後だったらどうでしょう?
結構多くの人がうなずいてくれる気がするのですが・・・

なんといいますか、この章を読むと、「いろんな人に読んでもらって感想を聞きたい」そんな気分になりました。

追伸:形態的説明の中では、女性の胸がお尻の代わりをしている説、男性の鼻が男性器、女性の唇が女性器の代替機能をもっているなどという、バラエティー番組などでよくでてくる有名な話もこの章の中に出てきます。

2013年11月27日水曜日

THE NAKED APE(裸の猿:Desmond Morris著) 覚え書き:第一章

 思うところがあって、人間の形態や行動を、動物学の側面から捉えた名著「THE NAKED APE(裸の猿:Desmond Morris著)」を読み始めました。
別にブログで書くようなことでもないのですが、覚え書きを残しておきたいと思ったので書き留めてみました。今回は、今日読んだ第一章について書いてみます。




第一章:Origins

この章では、人間の起原は森林性で果実食の霊長類であり、それが平地で動物を狩るように進化してきたことをいくつかの根拠を元に述べています。
次いで、なぜ森林性霊長類から狩をする猿になる過程で、毛を捨てた「裸の猿」となったのか、これまでに世に発表されているいくつかの仮説を並べて推測しています。この本では、「裸の猿」となった要因として、最終的には体温調節のための進化である説がもっとも有力として落ち着くのですが、これ以外にでてきた4つの仮説が挙げられています。
これが、なかなかに面白い。
4つの仮説とは、1)皮膚に付く寄生虫に対する防御策としての進化、2)水域生活に適応した進化、3)種の認識機構としての進化、4)性的信号としての進化、です。
とりわけ興味があったのが2つめの水域へ出た説で、これは、進化の過程で森林生活から平地に生活圏を移す前に、一時期海域を生活の場としていた時代があり、この時期に水生生活に適した形態に特化した結果なのではないかと言う説。
要するに、泳ぐのに無駄な毛はなくなり、イルカやクジラのような水の抵抗のない体つきで、かつ保温できるような脂肪層を持った皮膚になったのではないかというものです。
体つきに関する説明もそれなりの説得力はあるし、森林から平地の狩猟に移るよりは、海辺で貝や魚を食べる生活のほうがずっと移行しやすかったのではないか・・・などと思うと、この説も捨てがたいのではと思ってしまいました。
実際、最終的に有力としている体温調節のための進化にしても、根拠となる証拠はないようですので、水生生活説も可能性としてはなくはないのではないかとも思います。
まぁ、この本も、1960年代の本ですので、今となってはこの件についても、もう少し議論が進んでいるのかも知れません。
機会があったら調べてみたいと思います。

そうそう、それと、今回は英語版と訳本と両方購入したのですが、この本の英語版は難しい単語はなく、比較的読みやすいです。ま、訳本と照らし合わせて読んでいるわけですが・・・
文章的にはコロンやカンマが多く、こういった部分に苦手意識がある人には、訳本とあわせて多読教材として非常に有効な気がします。内容も面白いですし。

2013年11月25日月曜日

大人向け?

最近の小学生の宿題は私が子供の頃と比べるととても多く、小学四年生の娘は毎日よくまぁやるわ・・・というくらいやってます。
そんな宿題の中のひとつに、国語の文章音読があります。
子供にしてみれば、長いお話を何回も読まなければならないので、大変苦痛な作業のようですが、聞かされる側の私は実はちょっぴり楽しみだったりもします。

今日聞いた娘の音読課題は、有名な新美南吉の「ごんぎつね」。
内容を追ったのはものすごく久しぶり、それこそ小学生以来でした。




そうそう、話の発端はキツネの「ごん」がウナギをいたずらしたことでしたね。
「兵十」の採ったウナギをいたずらした「ごん」が、その後、それがとても大切なものであったと知り、悪いことをしたと反省する。
そして、栗などを置くことでちょくちょく埋め合わせをするようになる。
しかし、ウナギの一件で「ごん」を盗人だと思いこんだ兵十が、栗を置きに来たごんを撃ってしまう。そんな話です。

本題とはちょっと外れるのですが、私が気になったのは、兵十がウナギを捕まえるのに使っていた漁具です。
教科書を見せてもらうと、「はりきり網」として、図入りでかかれていました。
図を見ると、これは今で言う小型定置網で、私も調査でしょっちゅう使っている漁具です。こんなところで、別な呼び名を知ることになるとは思いませんでした。
そして、この当時、川で取れた魚は、人の暮らしの中で重要な役割をしていたことも再確認して、少し嬉しい気持ちになりました

さて、話は変わりまして本題のほうに移ります。
昨晩この話を聞くまで、私はこのお話を、「いたずらばっかりしていると、悲しいことが起きることもある」というような、ちょっと切なく、そしてちょっと説教じみた話だと思っていました。
しかし、昨晩この話を聞くと、少し違った印象を受けました。
それは、「相手を最初の印象だけで決め付けて扱うと、その後悲しい結果になることがある」と言うものです。
要するに、子供の頃は「ごん」側の立場でものを考えていたのに対して、親となった今は「兵十」の立場で物語をとらえているのだと思います。

年とともに、物語の捉え方が変わるというのはごく当たり前のことだとはおもいますが、書いた新美南吉はどちら側をイメージして書いたのでしょう?
「童話」と言うカテゴリーからは、つい子供向けであることを連想してしまいますが、ひょっとしたらこれは大人向けのお話だったのかもしれないなぁ・・・とふとそう思いました。

2013年11月18日月曜日

風土の化身

ずいぶんと更新が滞ってしまいました。
10月はほとんど何も書かずに過ぎてしまったのですが、書きたくなるようなことがなかったわけではありません。ただ単に、筆不精ゆえ、何を書こうかと悶々と過ごすうち、多くは話題すら忘れてしまったのです。
このままいくと全て忘れ去りそうなので、とりあえず印象の強いところから書いてみることにします。


~~
先月の中頃、学生の頃から通っている京都府亀岡市に行きました。
亀岡市は、京都市の西側にあり、Googleの航空写真で見てもらえば分かると思いますが、「盆地中の盆地」と言っても良いくらいの地形の中に位置しています。
つまり、周り全てが山で囲まれ、盆の底のような場所にあります。
亀岡盆地の水の流れに着目すると、周囲の山からはあらゆる谷から水が入ってくるのに対して、水の出口は保津峡(桂川)一箇所しかありません。
言ってみれば流入河川がたくさんある湖のような地形であり、事実、その昔は湖だったようです。
こんな場所ですから、ひとたび大雨が来ると、周囲から入ってくる水に対して出て行く水が少なくなる。
つまり、川の氾濫がおきやすい場所となっています。

もう2ヶ月くらい前の話でしょうか、2013年9月16日の台風による豪雨で桂川が氾濫し、京都嵐山で冠水被害が出たことは記憶に新しいところだと思います。
有名な渡月橋が流されんばかりに増水した桂川の映像は衝撃的でした。
あの日、嵐山の上流にあたる亀岡市も、相当な浸水被害があったようです。
先月訪問した際に、その時の写真を見せてもらいましたが、写真の画角には収まりきらないほど、どこまでも濁流が広がっているような状況に見えました。
川からはだいぶ離れたJR亀岡駅までも浸水してしまったようです。

さて、このときの増水状況の写真をデジカメの背面液晶でスライドショーのように見せてもらうことしばし、違和感のある写真が目に留まりました。
目の錯覚か、濁流の中に人がいるように見えるではありませんか。
洪水に飲み込まれている・・・というわけではなさそうです。
どうも、そのおじさんは濁流の中で巨大な三角網(サデ網)を振り回しているように見えます。
そう、魚を採らんとしているよう見えるのです。

以前、ナマズの産卵のところでも書きましたが、日本の淡水魚のうち、いくつかの種類は増水でできた一時的な環境を産卵場所として使っています。
代表的な種類としては、ナマズ、フナ類、ドジョウ、タモロコ、そしてアユモドキなどがそうです。
そして、亀岡はこれらの魚の量が他の地域と比較して尋常ではなく多いのです。
これは、先述した氾濫がおきやすいと言う風土のおかげ・・・と、いうよりも、これらの魚は亀岡のそうした風土が具現化した「化身」のようなものではないかと思えます。もちろん、アユモドキがいまなお生息しているのも、そうした風土ゆえとも言えるのではないでしょうか。

話がややそれてしまいましたが、どうも、亀岡の人々は洪水に悩まされつつも、魚を利用すると言う面においてはうまく増水と付き合ってきたフシがあります。
先述のおじさんは、おそらく増水時は魚を採るチャンスであるということが頭の中にインプットされていたからこそあのような行動をとったのでしょう。
また、かつては「じゃこ田」といって、川に近く、増水で冠水しやすい田んぼは魚が多く取れることから、秋にはこうした田んぼでの魚を採る権利を入札して争うというような制度もあったようです。
私の学生時代の調査地にしても、田んぼに上がるナマズやフナを捕まえたなどという話は農家の方から普通に聞くことができましたし、秋の水田落水時には水の少なくなった水路に煮詰まるように集まった魚を地元の方が我先にと持ち帰っていました(しかも、きらびやかなカネヒラなどには目もくれず、味の良いタモロコとかドジョウばかり!)。
このような話や光景に触れ、生まれてこの方、自分の住む地域の自然物に食を依存することなどない私は、人間もまた風土の中で暮らす生き物であることを認識させられ、けっこうなカルチャーショックを受けたものです。
今回見た濁流の中で魚を採らんと網を振るおじさんの写真からは、その学生時代に受けたものと同様の衝撃・・・というか感動のようなものを感じました。
と、同時にこのおじさんは、亀岡の魚同様、風土の化身そのものではないかとも思えました。

2013年10月2日水曜日

フォーサーズ・マイクロフォーサーズレンズをカミキリの顔で解像力テストしてみた。

最近、マイクロフォーサーズのマクロレンズ(M.ZUIKO DIGITAL 60mm f2.8Macro)を手に入れ、使っていくにつれ、これまで使っていたフォーサーズのマクロレンズ(ZUIKO DIGITAL 50mm f2.0 Macro)の登場の機会が減った。

どうも、フォーサーズのシステムで撮っている時と比べて解像感が増しているような気がするのだが、これがレンズのせいなのか、ボディのせいなのか気になったので、同じボディでレンズを付け替えてテストをして見ることにした。
被写体は、家のイチジクにとまっていたキボシカミキリ。
動きも少ないし、複眼や細毛が解像感を見るのに適していそうだ。

テストに使ったのは、マイクロフォーサーズのマクロ( M.ZUIKO 60mm f2.8 Macro)、フォーサーズのマクロ(ZUIKO 50mm f2.0 Macro)、マイクロフォーサーズの標準レンズ(M.ZUIKO 14-42mm f3.5-5.6)、コンパクトデジカメ (TG-2)の4種類。
それぞれのレンズで撮った写真の一部を拡大して細部の解像度を比較しようと思うのですが、まず、拡大前の元画像をレンズ別に紹介します。

●元画像

<標準レンズ M.ZUIKO 60mm f2.8 Macro>
マイクロフォーサーズが誇るマクロレンズの一つ。と、いっても、いまのところマイクロフォーサーズではパナライカの45mmとこれの2本しかないが。
画像全体の雰囲気としてはZD50mmf2.0よりコントラストが強い印象を受けた。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm f2.8 Macro
(E-PL5 1/125 f11.0 ISO200)
<標準レンズ ZUIKO 50mm f2.0 Macro>
フォーサーズの神レンズと言われていた写りのいいレンズのうちの一本。
私も水中、陸上問わず使用してきた。
MZD60mmよりはあっさりとした写りだ。
なお、撮影倍率はMZD60mmよりも少し落ちてしまう。
MZD60mmが19cmまで寄れるのに対して、こちらは24cmまでしか寄れない。
ZUIKO DIGITAL ED 50mm f2.0 Macro
(E-PL5 1/125 f11.0 ISO200)
<標準レンズ M.ZUIKO 14-42mm f3.5-5.6>
こちらは、オリンパスの一眼のレンズキットを買うと付いてくる標準ズームレンズ。
被写体まで25cmまで寄れるのでマクロ的にも使える。
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6
(E-PL5 1/125 f11.0 ISO200)
<コンパクトデジカメ TG-2>
お次はコンパクトデジカメ。
最近出た防水デジカメのフラッグシップ(最上位機種)だ。
カメラをごちゃごちゃしているうちにカミキリが移動してしまったので、これだけちょっと違う写真なのはご愛嬌である。
また、設定をスーパーマクロモードでまかせに撮ったらISO400と、画質比較にはちょっと厳しい設定になってしまった。等倍比較ではこの辺を差し引いて見てください。
コンパクトデジカメ
(TG-2 1/60 f11.0 ISO400)
●拡大比較
それぞれの画像のカミキリの顔部分を400×300ピクセルに切り出して比較してみました。



あくまで個人的な感覚としては、やはりZD50mmマクロはすばらしいと思った。
MZD60mmマクロの解像感はZD50mmには僅かにおよばない印象だが、コントラストの高さは地味な淡水の水中では有効かもしれない。うぅむ。陸上でZD50マクロ、水中でMZD60マクロという使い分けができれば理想かなぁ。
なお、MZD14-42mmはマクロレンズと比べると解像力は落ちるが、思ったより細部が写っていた。
実はこのレンズ、あんまり信用していなかったのだけど、今後はもう少し使い込んでみたい。そんな気にさせられた。
最後に、コンパクトデジカメのTG-2だが、もちろんコンパクトデジカメだけあって一眼で撮ったものに比べると解像度は落ちるのは否めない。しかし、ISO400でもしっかり複眼や毛まである程度改造しているのは驚きだ。さらに、このカメラ、被写体まで1cmまで寄れるので、もっと寄ればより細部を写しこむことも可能だろう。これは一眼ではムリな機能であるし、防水でいつでもどこでも持ち歩けると言うのもこのカメラならでは。これも立派なスペックだ。
こちらも現場でがしがしと使い込みたい。

2013年10月1日火曜日

車内物欲夢想

会社へ向かう電車の中、買えもしないOM-D E-M1のカタログを眺めていた。

その中の、防水プロテクターの項を眺めていて、ふと気付いた。
12-40 f2.8には、PPO-E02を使うのか…
12-40 f2.8とは、OM-D E-M1と同時に発表されるプロ用を称する標準ズームレンズだ。
そして、PPO-E02とは、ミラーレスになる前のオリンパス、フォーサーズの水中撮影システムで採用されていたレンズポートである。
現在、私はこのシステムを使っている。

水中でのメインレンズは、14-54 f2.8-3.5という標準ズームレンズなのだが、これがまた使い勝手がよい。
換算28mmの広角レンズとしても使えるし、寄れるレンズなのでマクロ的にも使える。
つまり、サケを撮りながら、ヨシノボリも撮れてしまうのだ。
しかも写りも素晴らしい。

時期的にはそろそろマイクロへ移っても良い時期なのだが、今一つ踏ん切りがつかないのは、14-54 f2.8-3.5に変わるレンズがなかったからだ。
しかし、ここへ来て12-40 f2.8の登場は効くなぁ。
きっと14-54 f2.8-3.5のかわり、ひょっとしたらそれ以上の働きをしてくれるかもしれない。
しかも、今使っているPPO-E02が使えるというではないか。

OM-D E-M1のハウジングPT-EP11は、単体では使えない。レンズに合わせたポートが必要だ。
一般にポートだけでも数万円するので、これが浮くだけでも大きい。



…と、思ったが、本体+レンズ+ハウジング+ポートが、本体+レンズ+ハウジングになるだけで、結局二十万以上かかっちゃうんだなぁ…

ここまで書いて夢から覚めた。
一歩一歩いくしかないね。

2013年9月23日月曜日

【観察情報】今季のサケ採卵作業始まる

今季のサケ採卵作業始まる


八戸市十日市の新井田川でサケの採卵作業が始まったようです。
・・・ということは、北東北もそろそろサケの観察シーズン到来ですな。
たぶんピークは十月上旬くらいと予想されます。

【観察情報】宅地先の小川にサクラマスそ上【下川】

宅地先の小川にサクラマスそ上【下川】

(名寄新聞 9/21 http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=17125)


北海道は道北、下川町のお話です。
なんともうらやましいですな。
ウチの横の水路にも遡上してくれないだろうか。
産卵場所ないけど・・・

2013年9月22日日曜日

物欲の9月

関東に住む私にとって、9月というのは実に中途半端な時期だ。
サケマスの産卵には微妙に早いし、カネヒラの産卵を撮りに行くにも近くにはいない。
もちろん、サケマスを観察しに北海道に行ったり、カネヒラを観察しに関西まで行けるのならば何の問題もないが、金銭的にも時間的にもそんなに余裕はない。

同様に、9月は仕事的にも微妙な時期だ。
調査の仕事は大体にして、仕様が春季、夏季、秋季という具合に季節ごとになっている。
夏とも秋ともピタッと言い切れない9月は、あまり調査もないのだ。
そのかわり、春や夏にとったデータをまとめなければならず、仕事の多くがオフィスワークということになる。
そう、9月とは実にストレスがたまる月なのだ。

仕事でためたストレスは、来るべきサケマス、そしてカネヒラの観察に向けた妄想、とりわけ、「あれがあればあんなシーンが撮れるかも・・・」といった物欲主体の妄想へとつながる。
新製品が出たり、シビアな条件に遭遇した時を妄想したりすると、もうだめだ。
物欲がとまらない。

私の水中撮影のシステムは、オリンパス製のカメラと純正ハウジングを主体としている。
近頃、オリンパスが新しい製品を発表したことを受けて、旧製品の値下がりが著しい。
そんな事情もあってか、世の中にお買い得と思える商品がごろごろしているように見えてくるのだ。

ということで、ちょっと前に購入したE-PL1とハウジングPT-EP01をはじめ、様々なものをオークションで売り払い、システムの大幅変更に向けた資金を捻出中。

秋の夜長には妄想と物欲がよく似合う。

2013年9月20日金曜日

【淡水魚情報】肉食の「ギギ」増加 ナマズに似た淡水魚 日置川

肉食の「ギギ」増加 ナマズに似た淡水魚 日置川


(紀伊民報 2013年09月14日 http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=259809)

この記事だと、肉食というワードにつられてしまい、オオクチバスやブルーギルのような国外からの移入種を連想してしまいそうだが、ギギは近隣の滋賀や京都では普通に在来種として普通に生息している種だ。
ここで言う移入とは、国内の別の場所から運ばれてきたことを意味している。
いわゆる”国内移入種”だ。
ちなみに、ある川にいる魚が、近いけどちょっと山を隔てた川にはいない、などという話はよくある話だ。なにせ魚は陸を歩けないので、近くたって水がつながってなければ往来はできない。
彼らの場合、おそらくは琵琶湖産アユの種苗放流に伴って入ってきたのだと思われる。

見出しを目にすると、この川だけで増えている印象だが、実は定着しているのはここだけではない。少なくとも、最上川水系、阿賀野川水系、信濃川水系、木曽川水系などの本来はいなかったはずの水域で、生息を確認している。

肉食云々というのも気にはなるが、もっと気になるのが近縁他種との種間関係だ。
たとえば、中部地方では本来はネコギギだけがいる場所に、東北地方ではギバチが分布している場所に移入されている。
こうした場所では、在来種を追いやっているのではないかと気になってしまう。
ギギ(この個体も移入個体群の一尾です・・・)
しかし、あくまで経験論で言ってしまえば、ギギはそんなに強い移入種ではない気がする。
と、いうのも近縁種であるネコギギにしてもギバチにしてもどちらかがいるところでは、ギギはおらず、どちらかというとどちらもいないところに避けて生息している印象があるのだ。
増えている場所も近縁種がいない場所ばかりに思える。
さらに言えば、ヌマムツやスゴモロコなど、たくさんの国内移入種がいる関東では、今まで確認していない。確認されてないのは、移入されていないからと言うよりは、関東の河川環境が彼らにあわず、定着できなかったと考えるのが妥当だろう。

そう、あくまで何となくの印象だが、彼らは移入先の生息環境・生息種などの生物環境をかなり選ぶ種なのではないかと思えるのだ。

そうはいっても、今後の移入された彼らがどのような影響を与えているのか正確なところはわからないし、少なくとも各地に移入・定着している状況は好ましい状況とは言えるはずがない。

ただ、なんというか、彼らも移動したいわけでもないのに移動させられ、人間の側からしても移動したかったわけでもないのに移動してしまったわけだ。
ただただ周囲の状況に翻弄され、流されながらも新しい場所で苦戦しながらも生活し、定着しはじめると最終的には悪者になってしまう。
そんな状況を思ってしまうと、ちょっとやるせない気分になる。

2013年9月19日木曜日

【観察情報】世界自然遺産:知床にカラフトマス遡上

世界自然遺産:知床にカラフトマス遡上



カラフトマス自体は8月から遡上してますが、どうやら今がピークのようですね。
秋に産卵を迎えるサケマスの中にあって、先陣を切って遡上してくる種類です。
川を埋め尽くすほど遡上する姿は、私も一度見たことがありますが、まさしく圧巻。
この時期の知床の川はこの魚で渋滞しています。



(写真2009年8月に撮影)

知床が世界遺産になった理由の一つに、川を遡上するサケ・マス類とそれを通じたエネルギー循環(普段は川から海へ一方的にエネルギーが流れていくだけだけれども、秋には彼らを通じて海から川へとエネルギーが運ばれ、森林生態系の栄養源となる)も、大きな要素だったように思います。

サケ・マス類を食べたことがない人はほとんどいないと思いますが、その遡上する姿を見たことがある人はそう多くはないでしょう。
自分が口に入れているものが、実際はどのように生きているのか。
知っておくのも良いかと思いますよ。
たぶん、相当に感動します。

【観察情報】産卵期のサクラマスに歓声 サンル川で自然観察会

産卵期のサクラマスに歓声 サンル川で自然観察会
(どうしんウェブ 9/12 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/491278.html


サクラマスの産卵前線は春の桜前線とは逆に、北から訪れます。
ニュースの通り、9/8日時点では北海道北部の上川郡下川町にあるようです。

これから徐々にさがり、9月下旬には北海道南部~北東北の標高の高い場所、10月上旬には北東北の標高の低い場所と南東北の標高の高い場所・・・という具合に降りてくることになります。

今シーズンは、道南の素晴らしい川に出会えたこともあって、9月下旬の北海道南部から参戦したかったのだけど、やっぱり北海道は時間的にも予算的にもつらく、あえなく断念。
出張と併せて出先周辺の川で勝負するのが現実的という、まぁ、当たり前の結論に落ち着きました。

来週は北東北の現場があるので、そこから秋のシーズンをスタートします。
ちょうどいい具合に、今年のスケジュールを見ると、北東北、南東北、北関東、北陸の順番に現場がつまっているので、うまくいけばかなりサクラ(マス)前線とともに行動できるかもしれません。
期待だけがかなりふくらんできました。

今年の産卵期は長いなぁ・・・

写真:OLYMPUS E-300+Zuiko Digital40-150mm F3.5-4.5
今週は現場がないので、ひたすら事務所にいるのだが、昼休みに通っている川では9月も下旬になろうかという今もオイカワ、ヌマムツの産卵が続いている。
例年、9月にはいるとオイカワが終わってヌマムツだけになるのだけど、今年はまだまだオイカワも元気だ。
もうしばらくは続きそう。
10月まで続いたらすごいなぁ。

どうでも良いのだが、この写真はOLYMPUS E-300という9年以上前に発売されたデジイチで撮った。別に好きこのんで使ったわけではなく、手元にこれしかなかっただけなんだが・・・
撮ってみると、なんだか悪くない。
まぁ、連射がRAW+SQでとると3コマで止まってしまうとか、AWBがひどすぎて、RAW現像をわりとまじめにやらないと見られる画にならないとか、時代相応の問題点はある。
それでも、出す画にはE-3やマイクロフォーサーズにはないような味がある。キットレンズの写りも良い。
グリップ感なんかは現役のE-3よりも良いくらいだ。
ファインダーも小さいながらになんだか見やすい。

なんだか、この筐体のまんま中身だけバージョンアップさせてくれないかな・・・そんな気にさせられた。
って、フォーサーズすら終わっちゃったのにそりゃないよね。
E-M1買うべきか??


水上から魚を観察・撮影する方法(1)

「水上から覗くとはどういうことか?」
私は野生の淡水魚を観察するのが趣味で、観察は水上からも水中からも行います。
どちらかというと、水上から見るほうが私は好きかもしれません。
なんて言ったって、身一つで見られますからお手軽ですし。
写真を撮るとなると、水中よりも周りの風景を反映したちょっと味のある写真が撮れる気もします。

イワナのペア
秋な感じがでる気がしませんか・・・


”泳いでいる魚を水の上から見たことがありますか?”と言う質問に対して、
おそらく「ない」と答える人は少ないのではないと思います。
日常生活の中で泳ぐ魚を見る機会は結構あります。
お祭りの金魚すくいの時も見るでしょうし、池を泳ぐコイを見ることもしばしばあるでしょう。
橋の上から魚が泳ぐのを見たことがある人だって多いのではないでしょうか。
水上から覗くとは、つまり、たいていの人が人生の中で一度は経験していることなのです。

「水上からの覗き」は、難しい作業ではありません。
簡単に言えば、「場所を決めて」、「行って覗き込む」だけで、誰にでもできます。
ただし、飼育されている魚や人慣れしている魚と違って、野生魚を見るには多少のコツがあります。
ここでは、「場所を決めて」、「行って覗き込む」その二つに関するコツをまとめてみます。

<手順1> 場所を決める
水上から見ることを楽しむにあたり、どこに行くか決める必要があります。
行く場所は川、用水路などどこでも良いのですが、川が一番無難だと思います。
池や湖などは全体の水域に対して人の目が届く範囲が岸際のごく一部だけなのであまり向いていません。

さて、川を選んだら次は川のどこで観察するかを決めます。
観察ポイントを選ぶときは、

1)水深があまり深くない場所(ある程度底まで見通せる場所がある)
2)水面を橋の上や護岸などの高い位置から水面を見下ろせる場所
3)川底がコンクリートではない場所

の条件をできるだけ満たすところを選んでもらえればよいと思います。
もちろん水の透明度も良いにはこしたことがありません。

だいたいの川において、上記のポイントを満たすところで観察すれば、種を問わなければなにかしらの魚は見られます。
なお、見たい魚がある場合は魚の特性から場所を決めなければなりませんので、もう少し考えることが増えます。これについては、種別に見ていかなければならないところもありますので、ここでは詳しく述べません。
また、おいおい書いていきたいと思います。


観察に適した川。護岸があって高いところから見下ろせる。
写真ではわからないが水深も10~20cmくらいで浅い。

<手順2>行って覗き込む
覗きこんで魚を見るコツは2つあります。
ひとつは「魚に警戒されずに見る」こと、もうひとつは「目を慣らす」ことです。
ひとつづつ説明していきましょう。

(1)魚に警戒されずに見る
これは一言で言えば観察者と魚との距離を出来るだけとることにつきます。
<手順1>でも書きましたが、観察ポイントとして橋や護岸のような高い場所から見下ろせる場所を選べば、必然的に魚との距離はとれますので、警戒されにくくなります。

このような高いところがない場合でも、観察することはできます。
この場合、河原を歩きながら魚を探すことになります。
そうすると、水面に近いところから見ることになりますので、魚を発見するのもだいぶ魚に近づいてからになります。
結果、魚に近づきすぎて逃げられてしまうことが多くなります。
川を歩いていてあまり魚に出会わないのは多くの場合、これが原因です。

ですから、この場合は、
1)出来るだけ離れた場所から魚を見つける
2)物陰から覗く

などの魚に魚に気づかれないような工夫をすることが必要になります。
魚の観察になれて、「サクラマスやイワナなどの産卵が見たい!」と思うようになれば、
護岸されたような所にはあまりいないので、おのずとこちらの道を選ぶことになります。

最終的には、「どの位近寄ったら逃げるか?」という感覚は経験でつかむしかないです。
しかし、事前にこれらのことを意識しているかいないかで、最初に出会う確率はだいぶ上がると思います。

(2)目を慣らす
さて、現地に到着して川を見るなり、いきなり大きさが10cm以下の魚を見つけられるのは相当な上級者だと思います。
どうもこれまで観察に連れて行った初心者の人の話から考えると、川にいる一般的な魚は思っているよりもずっとずっと小さく、最初は目が勝手に無視してしまっているようです。
ですので、はじめはコイのように大きくて見つけやすい種類を見つけてください。
そして、コイの大きさを頭に置きながら、「コイの1/3くらいの大きさの何かいないかな・・・・」という感じで小さな魚を探していってください。
目の焦点を水面からやや水中に移すようなイメージで探すと探しやすいです。
また、川の中を走る陰を目で追うのも有効です。
そうして探していくと、川には思いのほか魚が多いことに気が付くと思います。

魚を見つけられたら、次はその中から面白そうな行動をしている魚を見つけてください。
面白そうな行動とは、「他の個体を攻撃し続けている」、「2尾で同じ場所から動こうとしない」、「1尾だけ色が付いていて鰭を動かしている」とかいったものです。
こうした個体を追っていくと、観察の中でなにかしら面白い発見があると思いますし、全体をなんとなく見ているよりも観察は数倍楽しくなります。


上の写真の川で観察されたオイカワ。
10cm位の小さな魚だが、よく見れば雄同士が闘争中だった。

以上、「水上から魚を撮影する方法(1)」でした。


次は観察に必要な道具などについて触れていきたいと思います。

2013年9月17日火曜日

台風が去って


この連休中、実家に帰省していたのだが、自宅が台風でどうなっているのかちょっと心配だった。熊谷や行田では突風(竜巻?)の被害が出たなんて言うし。
で、帰ってみたら特に目立った被害は無し。
周囲を見ても田んぼの稲の倒伏もなさそうだ。
とりあえず、自宅に関しては一安心。

台風は、人にとってはやっかいな存在なのだが、自然界には当然あるべき攪乱だ。
実際、台風で出水があった年はアユの産卵状況も良いことが知られている。
これまで出水が無くて、カチコチになって藻類の生えまくった川底も、新しい土砂が供給されて綺麗になることだろう。
また、川が暴れて、河川敷内に新しい小川や池が出来たに違いない。

しかし、一般的な生き物にとってはプラス材料となるが多い台風だが、すでに生息域がごくごく限られている生き物にとっては少々まずい影響が起きかねない。
彼らは大丈夫だろうか・・・
すでにいろいろ問題を抱えているだけに・・・
どうもこうも出来ないのだけど、もやもやだけが心に残る。

2013年9月16日月曜日

気持ちの悪い国

今日は台風でどこにも行けず。
で、いつもの魚の話題とは違うのだが、今日一番気になったのは、オリンピック招致プレゼンで阿部首相が発言された「Fukushima is under control」という言葉だ。
朝から様々な討論番組で取り上げられていたが、私としてはいちいち討論を聞いているのすらもどかしく感じた。

ニコニコとしながらこの言葉を発している姿は、失礼ながら、私の頭には悪魔とか、売国奴とかいう言葉と、とにかく薄気味が悪い、そんな思いしか浮かんでこない。
断わっておくが、どこの政党を支持しているわけでもない。

討論の中では、twitterを通じて野党に対して「そんな揚げ足取りばっかりするなよ!」というコメントが多く寄せられていた。
確かに、国会や関連ニュースを聞いていると揚げ足取りのようなやりとりをしていると感じることは多いし、もっといえば大半はそればっかりである気もする。
しかし、こればっかりはそんな次元の問題ではない。

経済成長とか、オリンピックとか、だれもが逆らえないような状況を盾にして、全ての事を進めていくやり方はどこかしら卑劣さを感じる。
最近の日本は本当に気持ちの悪い国になってきいてる気がする。
番組中のtwitterのコメントさえ、放送局側が選んで流しているのだろうか。。。そう思えてしまう。

「大多数の票は都市部にあるんだし、都市の住民の生活には影響ないように見せることが大事だ。そして、反対しづらい明るく見える話題を前面に出して、彼らを逆らえないようにしておけば次の選挙も勝てる。暗い話題は地方に沈めておけばいい。」そんな思いが、政府にもマスコミにも透けて見えるように感じるのは私だけなのだろうか?

2013年9月14日土曜日

マイナーな国内移入


9月の写真を探していたら、こんな写真が見つかった。
シナイモツゴの写真なのだが、採取地点は北海道は積丹半島。
8年前の帰省の時、以前勤めていた会社の先輩とサカナ採りに行って採取した。
十中八九移入個体群なのだが、手に届く範囲の資料では記録がない地域での採集だ。

しかし、残念なことに手元にあるのはこの写真とおぼろげな記憶だけ。
詳細な採取地点情報も、標本も手元にない。
うーむ、どの角度から考えても、失態としか言いようがない。

失態を棚に上げて話を進めるけれども、シナイモツゴの移入は、北海道では函館近辺や十勝川水系などで記録されている。
彼らは、日本海側では新潟、太平洋側では関東以北の本州にしかいない種類。
つまり、北海道への移入は本州北部からの移入ということになる。
国内移入の話題がホットな今時にこんなことを言うのも何だが、本州北部と北海道の淡水魚についてみると、人の移動に伴って淡水魚も行き交っている節があって面白い。

シナイモツゴは本州からきた種類だが、逆に本州北部には青森にエゾホトケ、宮城・福島にフクドジョウなど北海道から持ち込まれた種がいる。
本当かどうかはわからないが、かじり聞いたところでは北海道に入植するときに持って行ったとか、いったん北海道で暮らしたがその後戻ってきた人がもってきたとか・・・

近年の国内移入種についての話題の多くは、琵琶湖産アユを全国への種苗放流した時に混ざって話されてしまう種類や、ヘラブナなどのような遊漁の放流、観賞魚の野外放逐などの話だ。
シナイモツゴやエゾホトケ、フクドジョウの話が話題にあがることはあまりない。
なんだろうか、個人的には遊漁や観賞魚で大規模に移入された種よりも、これらの種の移動は人の生活に密着しているように思えて妙な感慨がある。

石田純一じゃないけど、「移入は文化だ」なんて言ったらめちゃくちゃ怒られるだろうな。




※:個人的には国内移入は全く認めていない立場にいることを付記しておきます。

2013年9月12日木曜日

晩夏の祭り



夏も終わろうかという8月末日、近くで夏祭りが行われるらしい。そして、そこで花火も行われるらしい。
そんな話を聞いて、栃木県真岡市を訪れた。

実は、この話、多少の背景がある。
この数週間前も家族と花火を見に行く約束をしていたのだが、仕事ですっぽかしてしまったのだ。あの日、帰宅し扉を開けた瞬間、ラオウのような闘気に消し飛びそうになった。
そう、冒頭には「訪れた」などとライトな表現でかいたが、正確な表現は「絶対に訪れなければならなかった」なのだ。

なにはともあれ、久々に訪れた祭りは熱気がすごい!
正直、祭りの最後にある花火まで持たないかも・・・と言う人混み。
立ち並ぶ出店は、ワタアメ、金魚すくい、焼きそば、たこ焼き、リンゴ飴、等々、種類は、今も昔も変わらない気がするが、値段が違う気がする。ワタアメって600円もしたっけか??
アベノミクスの効果だろうか?

浴衣のおねいさんも散見したが、金髪の娘さんが多い。
私の希望としては、浴衣には絶対的に黒髪のおねいさん、ないしは金髪の外人さんの浴衣姿であってほしい。
そう、出来るだけ浴衣以外のものをまとっていて欲しくないのだ。
しかし、このはかない男の願いはきっと世の誰にも届くことはあるまい。

さて、人混みをかき分け、やっとの思いで盆踊り会場に着いた。ここはやや人が少ない。
座り込んで、盆踊りをしばし眺めた。
勝手なイメージだが、盆踊りというものは、じいさんとばあさんのグループだけが踊るものかと思っていた。しかし、ここの盆踊りは子供や若者も踊っており、雰囲気として実に良い。



盆踊り会場の近くでは、地元の商工会が出店を出していた。
基本的に商工会ので店はどの祭りでもあるように思えるが、個人的には基本的にこういう出店に注目すべきだと思っている。
なぜなら、値段は通常の出店に比べると良心的だし、一般的なお店に加えて、地域の特産物も置いてあるのだ。
ここで、私が注目したのはもちろん魚。
この土地は内陸なので、海魚ではなく、アユの塩焼きが売っていた。


アユは晩夏のこの時期が一番うまいと思う。
内臓を取らずに焼いて、丸ごと味わう。

美味也。
頭も骨も残さず食える。これがアユの良いところ。

最後に、祭りのクライマックスとなる花火を見る。
音楽が流れるちょっと斬新な花火だったが、花火と音楽がマッチしていたのでこれはこれで良いものかなと思う。



しかし、花火と夏ってどうしてこんなに合うのだろう。
いやいや、むしろ花火は夏そのものを表しているのかもしれない。
花火が打ち終わり、人々がそろって帰途へつくその様は、季節が秋へと向かう様子そのものに思えた。

2013年9月11日水曜日

E-M1欲しいが・・・すこしひっかかる。




先日9月10日に、オリンパスからマイクロフォーサーズの新型機が発表された。
一番の売りは、位相差オートフォーカスができる。
つまり、フォーサーズレンズがストレスなく使えるらしいことである。
完全に時代に取り残されたフォーサーズ使いの私としてはまたとない朗報だ。
マイクロフォーサーズ機にアダプターをつけてMFしていた日々とはおさらばできるのだ。
なにせ、ここ数年、10万くらいして買った50-200”SWD”がただのオールドレンズになっていたのだ。

しかし、フォーサーズがなくなって全てマイクロフォーサーズに行くというのもちょっと複雑な気分だ。
頑丈なのも良いし、ハウジングがあるのも良い。
ただねぇ・・・個人的にEVFよりやっぱり光学ファインダーなんだよなぁ。
攻撃行動の撮影のように、一瞬を逃したくない場合はタイムラグのないファインダーを使いたい。
イマドキのEVFなら問題ないのかもしれないですが。

値段的には実勢12万程度、EVFどうこう言う前に、そんなお金はないのに気づきました。
E-5の値段が下がったら、中古でE-5買うかな。
しかし、本音を言うと、フォーサーズレンズを持っている人に割引があってくれてもいいんじゃないかなとも思う。
これまで何十万もかけてそろえたシステムがパーになるかもというおそれがあったわけだし、軽い慰謝料くらいくれてもいいじゃん・・・とも思うわけで・・・

2013年9月10日火曜日

うなぎエクレア(のぼり)

浜松と言えば浜名湖、そして浜名湖と言えば、ウナギ養殖のメッカである。
そんなことから、第二東名の浜松SAにはウナギ関連の商品がたくさん置いてある。
ウナギそのものを焼いたウナギ串だったり、ウナギ弁当だったり・・・
本日見つけたのはこれ、ウナギエクレアだ。
浜松SAにあるサンエトワールというパン屋さんで売っていた。

顔とヒレがついており、それ以外は普通のエクレアだ。
普通に美味しい。

正体!


なんというか、パン屋さんが「浜松SAにある以上、ウナギ関連商品を出ささないと・・・黒くて長いもの・・・そうか!エクレアか!」と考えたんだろうな・・・などと開発背景を無駄に勘ぐりたくなる品ではある。
しかし、現に私のように買ってしまう人間がいることを考えると、かなりの効果があったのではないだろうか。

あえて一つ注文させていただくならば、サカナ屋としては、のぼりエクレアだけでなく、「くだりウナギエクレア」も作って欲しかった(当然こっちのほうが太くして欲しい)。
高速道路上で売っていることもあるしね。