2012年9月18日火曜日

第二回:カネヒラのカップルと名脇役

~シリーズ:生物の行動と妄想<第二回>~
第二回の今回は、貝に卵を産む魚、タナゴの一種であるカネヒラが、イシガイに卵を産むシーンを妄想してみたいと思います。

<背景と設定>
タナゴ類は生きたイシガイ科の二枚貝に托卵するという性質を持つ魚です。産卵期になるとオスは貝の周りになわばりをつくり、メスを貝へと誘導して産卵を促します。メスは貝の状態を確認し、納得したら貝の出水管に長く伸びた産卵管をさしこんで産卵します。メスの産卵が終わったら、今度はオスが貝の入水管に向けて放精し、一連の繁殖行動は完結することになります。
今回は、産卵される側であるイシガイの気持ちについて妄想してみました。
では、お楽しみください。



A助(カネヒラ)「B子ちゃん、この貝なんてどうかな?サイズといい、開き具合といい、B子ちゃんにぴったりかなぁ・・・なんて思ってさ。」

B子(カネヒラ )「ステキ!私・・・なんだか・・・産卵管が変な感じ・・・」

石太郎(イシガイ)「ったくよぉ。いちゃいちゃするんなら人の目のつかねーところでやってくれよな。こちとらそうそう動けねーんだからよぉ。」

B子(カネヒラ )「A助さん、私もうここで産んじゃう!えぇぇい!!」

石太郎(イシガイ)「えっ!?お、おい、メス!今何した?ごほっ、な・・・なんかちょっと苦しいぞ?こ、こら!なんかエラに入れたな?ぬ・・・卵か?」

A助(カネヒラ)「ふぅぅ・・・」

石太郎(イシガイ)「お、おい今度はオスか?こら!オイラの上でなにをそんな恍惚な表情を・・・って、まさか・・・うぁぁぁ!」

いかがだったでしょうか。

こんな事情があるからかどうかはわかりませんが、貝はたまにメスの産卵後に閉じてしまうことがあります。せっかくの放精チャンスを失ったオスも痛いでしょうが、貴重な卵を一つ無駄にしたメスも結構なダメージだと思われます・・・

では、また次回気の向いたときにでも・・・