2013年12月13日金曜日

サケ見ノススメ

12月も中頃を迎え、だいぶ気温も下がってきました。紅葉もどうやら終わった感じです。
「そろそろ出歩く季節は終わりかな・・・」、あるいは「冬鳥観察に専念しようかな・・・」、そう考えていらっしゃる方も多いかと思います。
しかし、チョットお待ちを!
関東地方では今、サケが産卵真っ盛り、つまり観察最適期を迎えているんです。


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「関東のサケ」
”サケの産卵が見られる場所”と聞いてイメージするのは、北海道や東北、北陸地方などの北国ではないでしょうか?
私もわりあいと最近までそう思っていました。
ところが、ここ数年、関東の各河川でサケの遡上量が著しく増加しいるのです!
たとえば、埼玉県行田市にある利根大堰では、魚道のサケ遡上数を全数カウントしています(利根大堰ホームページ)。
この結果を見るに、平成17年には2000個体程度だったのが、年々増加し、今年、平成25年はシーズン途中にもかかわらず18,000個体。
この8年で実に9倍にも達しているのです。
事実、私は先月から東北地方、北陸地方の様々な河川でサケを調査していましたが、へたすると関東の河川のほうが遡上量は多いんじゃないかと感じています(捕られている量が少ないだけかもしれませんが)。

サケの見所はなんと言っても産卵!
(陸上からだって卵まで写る!)
「オススメスポット」
生物を観察するに当たって、場所選びは最も重要なポイント。
前述のように関東の河川にはサケが多く遡上しているのですが、どこに行けば産卵が見られるのでしょうか?
関東でサケの遡上が多く見られる川を3つ挙げるとすれば、私は那珂川、久慈川、利根川をチョイスします。なかでもおすすめは利根川です。
特に、先述した埼玉県行田市にある利根大堰では、堰の下流で多くの個体が産卵行動をしているのを目撃しています(11/30確認)。
ここは、川へのアプローチも容易です(私も子供数人を引き連れていきました。駐車場もあります。)し、堰の魚道には魚道を横のガラスから覗ける観察窓があって、運が良ければ魚道を遡上するサケの姿を見ることもできます。
他の川も、一応観察しやすい場所をいくつか知ってはいるのですが、利根川に比べるとアプローチのしやすさやサケの量などを総合的に考えるとやや劣るのでここでは紹介しないでおきます。

逆に、安全性が高くてサケが見やすいオススメの場所があればこっそり教えてほしいっす・・・

死亡個体も独特の迫力を持つ
(上の堰は利根大堰)
「観察に必要なもの」
サケを見るのに特別な道具はいりませんが、偏光グラス(サングラス)があると水面反射が押さえられ、水中の観察がしやすいです。
また、カメラがあればさらに楽しみの幅は広がると思います。カメラは、それこそ何でも良いのですが、レンズ交換式カメラにPL フィルター(偏光グラスと同じような役目を持つフィルター:レンズとは別売りです)をつけた200mm(35mm換算)くらいの望遠レンズがあれば確実に楽しめると思います。
私は陸上からサケを撮るときは、とにかく被写体ブレを抑えるようにシャッタースピードが最低でも1/250以上になるように、感度設定、露出補正、そして時にはフィルターを外して撮影をしています。このあたり、ネット上には上手にサケを撮られている方がたくさんいますので、参考にしてみるのをオススメします。

オス同士の闘争
(水しぶきが上がっているところはだいたいこの行動が見られる)
「おわりに」
最後に、ひとつ気をつけていただきたいのは、サケの遡上や産卵は映画やテレビのように、我々に見せるためにするものではありません。ですので、川では「サケがどこでなにをしているか」を考えたり、面白いと思う行動・事物を自分で探さないと、なにも見えてきません。せっかく行っても「来てみたものの、ただの川なんですけど・・・」で終わってしまうのはちょっとさみしいです。
サケの産卵という、自然界の一大イベント。見ようと思えば、いくらでも発見はあると思うので、ちょっと前のめりくらいの姿勢で川に行ってもらえれば楽しいと思います。ま、自然観察が好きな人なら「なにをいまさら」という話でしょうけど。

サケの産卵は、例年通りだとすると、今がピークの終わりくらいでしょうか。
観察するなら今週末くらいが最後のチャンスになりそうです。
見ておかないともったいないですよ~(・・・って思うのは私だけ?)。
少しでも興味のある方は是非行ってみてください!

追記:2013/12/15の情報によりますと、もうほぼ終わりだとか・・・残念。来年に乞うご期待!

THE NAKED APE(裸の猿:Desmond Morris著) 覚え書き:第二章


 第二章:セックス
この章では、タイトルどおり、人間の性に関する形態、行動について、他の霊長類との比較をから特徴の説明をしています。
あっさりと内容を要約するとこんな感じなのですが、読んでみるとまぁ、なかなかに仔細な表現。
性行為の説明のところなど、電車内で読んでいて、つい誰も見ていないか確認したらほどです。と、同時に、『ほぅ。外人さんもそんな感じで…』なんて妙に感心もしたりして。

この章の内容は、人間の性行為、性的形態に動物学的に切り込むという、ある種のタブー破りの側面もあるためか、全体的にいささか挑発的に誇張しているのでは…という表現もなきにしもあらず。
しかし、読めばまぁ、大筋は『うーむ、なるほど』と思わせられる内容で、他の霊長類との比較で論じられると、それなりの説得力はあるように思います。
なんというか、エロいエロくないという話はおいておいても、この章を読むと人間にとっての性行為は、社会生活を営む上でものすごく重要なものなのだなと感じさせられました。

この本を読んだ勢いそのままに、周りの人に、突然「人間が他の猿と違って毛がないのはさ、セックスを最大限魅力的にするために進化したからだって知ってた?」なんて聞いたら、唖然とされる、あるいは相手によっては引っぱたかれそうです。
が、相手がこの章を読んだ後だったらどうでしょう?
結構多くの人がうなずいてくれる気がするのですが・・・

なんといいますか、この章を読むと、「いろんな人に読んでもらって感想を聞きたい」そんな気分になりました。

追伸:形態的説明の中では、女性の胸がお尻の代わりをしている説、男性の鼻が男性器、女性の唇が女性器の代替機能をもっているなどという、バラエティー番組などでよくでてくる有名な話もこの章の中に出てきます。