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2016年10月8日土曜日

非効率も重要?


ムンバイ湾ではマッドスキッパーをはじめ、鳥やサルなどをじっくり観察する時間があった。普段の調査では、できるだけ効率化を求められるため、このような時間はない。
こんな中で改めて気づいたのが、効率化しないことの重要性だ。
効率化するとはすなわち、わかっている範囲のことをうまくつなげていく作業であり、不確定要素はできるだけ省くのが重用だ。
一方で、わからないことを調べる、だとか疑問を解決する、はたまた新たな疑問を発見する、といったことは時間をかけることに意味があるように思える。

なんだかマッドスキッパーに関する論文探していても、適地解析とか生息場と水質との相関とか応用的なものが多く、これだけ魅力的な対象であるにもかかわらずじっくり現象を直接観察した事例が少ない気がする。短時間で効率よく、最先端の技術を使って、という調査は実務に役に立つという意味ではすぐれていると思う。
けれども、自然を調べる原点はやはり観察からの疑問であり、それと向き合っているほうがずっと楽しい。そんなことを改めて感じたのでありました。



ムンバイ湾でマッドスキッパー達の行動を観察しながら、新たな疑問が次々と出てきた。次行くとしたら数個体捕まえてみたいな。

2016年9月29日木曜日

刺激の閾値

インドでの業務が終了するまでの間、それはそれは刺激的な毎日だった。
現地ではそれこそ心臓が飛び出すんじゃないかという瞬間が幾度もあり、帰ってきたらきたで報告書作成までの間やきもきすることばかり。
そんなこんなで、業務が終了し、通常の日本の業務に戻ると安心感がものすごかった。

しばらくはその安心感が心地よかったのだが、最近どうもこれが強すぎる・・・というか、ちょっとやそっとの刺激では何にも感じなくなっていることに気付く。
インドへ行く前はFBやらブログもちょいちょい書いていたのに、今や何一つ書く気にもならない。
どうやら刺激の閾値が上がっている模様だ。
きっとインドにはまる人って、日本にいると刺激が足りず、おんなじ刺激がほしくてまた行きたくなるんだろうなと察する。

しかし、こちとらそう頻繁にインドに行けるわけでもなく、そもそも日本国内でいままで感動していたことが感動できなくなるというのは結構な問題だ。野外に出て気づきが得られないなんてもってのほかだ。
これではいかん。本日よりリハビリもかねてブログを再開しよう。

Lessor Flamingo on the Mudflat in Mumbai, India


 

2015年3月10日火曜日

Environmental DNA

http://nyti.ms/1EwLzGA
ワシントン・ポスト紙に連載されている、著名なサイエンスライター、Carl Zimmer氏のEnvironmental DNAに関する記事。

Environmental DNAとは、生物が生息する環境、すなわち土壌や河川の水等を採取し、その中に含まれるDNAを分析することにより対象とする生物の生息を確認する手法。
この記事ではアメリカオオサンショウウオとキングサーモンの例が紹介されているが、調べてみると他にもいくつか事例がある。
なお、特定の種だけではなく、生物相を調べるというやり方もあるようだ。
日本で一般的な技術として普及する日も近いかもしれない。
うーむ、そうなると我々のような生物捕獲して確認するタイプの生物技術者はいずれ肩身が狭くなるのかな…

それはさておき、Carl Zimmer氏の記事はどれも「生物とはなにか?」、さらには「人間とはなにか?」、という疑問に迫る最先端の研究内容を紹介しているのだが、これが一般紙ワシントン・ポストのサイトに掲載されていることが素晴らしいと思う。日本には一般人に読ませる記事をかけるライターがいないのか、それとも国民全体があまり興味は無いのか、普通のメディアには生物に関する記事はあまりない。あっても、きれい、かわいい、絶滅危惧、という内容ばかりで、個人的にはやや食傷気味。別にアメリカ万歳と言うつもりはないが、こと社会における科学の受け入れられ方と言う面では完敗な気がする。