2019年8月8日木曜日

九州に行ったならば…

とりあえずムツゴロウの顔を見ておきたい。今回は南九州に用があったので難しいかと思っていた。
が、今から15年ほど前の報告をみると(竹垣ら,2003)、近年(といっても15年前だが)は有明海の奥部より、八代海にも見られる用になったようだ。ここなら頑張れば見にいけるぞ、と思い立ち、仕事終了後に出撃した。

最初に行ったのは宇土半島の南側。行ってみるとなるほどなるほど、干潮時にはこちらもずいぶん広々とした干潟が広がっている。干潟上には一面巻貝(ウミニナ?)が広り、ヤマトオサガニが闊歩する。が、肝心のムツゴロウはいない。よくよく探すとわずかにトビハゼがいたのみ。見た感じ泥干潟ではあるが砂分がやや多いように見受けた。
宇土半島南側の干潟。泥干潟の中に岩礁帯が存在する。
宇土半島南側の干潟で見られたトビハゼ

どうやら、比較的大きな川の河口部付近のより泥っぽいの場所にしかいないのかもしれないと判断し、移動。すると、おお…いるではないか。あいにく繁殖はほぼ終了の時期なので、雄の弱い求愛行動はあるが、反応する雌はいないというちょっと悲しい状況ではあった。また、今回はこれまでで一番近くで見ることが出来たのだが、それでも撮影には35mm換算500~600mm程度のレンズが必要だと痛感。ムツゴロウの警戒もそうだし、そもそも泥干潟の中に入って近づくことは出来ないのを忘れていた。
まぁ、とりあえず見られただけでも十分。いずれ繁殖期に来る機会があればそのときは装備を整えてきたい。

八代海のムツゴロウ

参考: 竹垣毅, et al. 有明海・八代海沿岸の河口干潟におけるムツゴロウの分布と生息密度. 魚類学雑誌, 2005, 52.1: 9-16.