2015年9月1日火曜日

モロコ寿司(3)

所定の時間がたったのち、モロコ寿司を受け取りに行った。
受け取ったモロコ寿司は店頭にあったモロコ煮を酢飯に押した押しずしだった。


食べた感想は、モロコ煮とご飯の相性が悪いわけもなく。普通に美味しい。
ただ、全国区になるほど普及する料理かといえば、「そこまでのパンチ力はないかな」、という感じ。
佃煮と酢飯を押す組み合わせなどモロコでなくてもいくらでもありそうだし、この品はあくまでかつてモロコを多産したであろうこの地域だからこその料理だろう。

上列:左から、はえ煮、もろこ煮、だし巻き卵、下:モロコ寿司


今ではモロコ(タモロコ)も地元で漁獲しているものではなさそうだし、今後この料理がずっと続いていくのかどうかは良くわからない。
そんなこんなの事情はどうあれ、その土地を利用してきた人の生活を妄想できるこの料理に出会えたのは本当に良かった。
これこそ魚屋めぐりの醍醐味だと思う。

モロコ寿司(2)

モロコ寿司(1)からの続き
店頭にてこの感触だったので期待してお店の中へ入る。
しかし、お店のおばあちゃんに聞いてみると、もろこ寿司は正月や祝い事の時だけ、フナ味噌は晩秋~冬の食べ物だそうで、いずれも今はおいていないそうな。
ただ、もろこ寿司については注文すれば1時間くらいで作ってくれるといってくれたので、これ幸いとお願いして作ってもらうことにした。
~待ち時間の間、津島神社に行ってみた。
 するとここにある観光案内所にも「津島名物 モロコ寿司」なる張り紙が。 


おおぅ!こちらのほうが安いではないか
ただ、実際に案内所の方に聞くと入荷は不定期だそうで、今日は売っていないとのことだった。に、してもやはり地域にかなり根付いた料理だったんですな。


モロコ寿司(1)

埼玉から三重まではるばる仕事に出かけて行ったのだが、増水等の影響により調査はよもやの中止。交通費がかさんで会社の経費的には大打撃だ。だからといって、そのまま帰るのもあんまりだ。何処か面白い立ち寄り地がないかと思案した。その中で、少し前に木曽川下流下流左岸の愛知県津島市出身の方から郷土料理、モロコ寿司とフナ味噌なる物について話を聞いたことを思い出す。調べてみると、なるほどここなら帰り道、しかも名鉄津島駅の駅前通りにいくつか川魚店がある。行ってみる価値ありと向かうことにした。

駅前の駐車場に車を停め、歩くこと3分でモロコののぼりが目に入る。

おお、店頭には、はえ(フナの幼魚)煮ともろこ(タモロコ)煮がおいてあるではないか。この地域ではフナの稚魚のことを「はえ」というのね。これは初めて知ったなぁ~。

ナもモロコも水田周辺や後背湿地の沼などに生息する魚。
名古屋から10km程度のこの地域、今は市街地が多いけれど、かつてはどのような場所であったかしのばれたのでありました。