このところ花粉がマックスだ。
いったんくしゃみをしだすと止まらない。
朝、おにぎりを食べている最中にくしゃみが始まり、難儀をした。
そして、夕方、口の中にどこからともなくご飯粒が現れた。
不思議なような、得したような、謎の感覚である。
いったいどこに格納されていたのか・・・
さて、先日古い資料を見る機会があったので、これならば移植で拡散する前のアカザの分布がわかるのではないかと思い、ついでに調べてみた。
まずは図鑑2つ。
1) 中村守純.(1963). 原色淡水魚類検索図鑑. 北隆館.
2) 静岡県生活環境部自然保護課, 板井隆彦.(1982).静岡県の淡水魚類. 第一法規出版.
1)によると、日本海側は雄物川以南、太平洋側は富士川以西の本州、四国、九州に分布するとのこと。
2)によると、日本海側は雄物川以南、太平洋側は阿武隈川を北限ないし東限とした本州、四国、九州に分布。ただし、本州中部以東の分布は不連続で、日本海側では石川、富山両県にはほとんど分布しない。太平洋側では、静岡県中部以東では栃木県などから局所的に見つかっているだけで、静岡県内では安倍川水系から東側では全く見つかっていないとのこと。
続けて、環境庁の第三回自然環境保全基礎調査(1988年)を見てみると、東京、埼玉、千葉、茨城、栃木、山梨、静岡にはプロットがない。また、新潟以北、福島以北も同様にプロットがない。ただ、群馬県は利根川筋にプロットがあるように見える。
うーむ。これらを総合すると、やはり利根川水系のアカザには簡単に判断は下せない感じだなぁ。栃木、群馬はどの文献にも記録があるわけではなく、当時は少なかったんだろうという印象を受ける。少なくとも現在のように割と簡単に捕まるような状況じゃなかったっぽい。
阿武隈川については、図鑑2)で1957年(青柳兵司:日本列島産淡水魚類総説)の文献をもとに言及しているので、移植ではなくもともといたのだろうなぁという印象である。
いずれにせよ、東京、神奈川、千葉、静岡東部、山梨あたりは本種の空白地帯であったとみてよさそうだ。こんな分布をしている種ってほかにいるのだろうか…。
2015年3月27日金曜日
2015年3月26日木曜日
軍略会議:攻撃と防御の均衡
家臣 甲
「元祖はホタテガイ。なれば大きさが似た、ヌマガイ、ないしはマルドブガイを用いるのが常道!」
家臣 乙
「お言葉ですが、元祖が常に最上とは思えませぬ。ここはカラスガイ、フネドブガイなどの大型の貝を用いて防御を固めるのが上策と存じます。」
家臣 丙
「は、恥ずかしながら、拙者、シジミのように小さき貝のほうが士気はあがりまする。」
家臣 丁
「恥ずかしがることはない。それがしも小型のもので士気が上がる!
むしろマメシジミやドブシジミなどのより小型の二枚貝や、サカマキガイやモノアラガイなどの小さな巻貝の採用も優れた案だと思うのだがこれ如何に!」
家臣戊
「私はイシガイやトンガリササノハガイなどの長細い貝も個性的で悪くはないと思うがいかがだろうか。」
御屋形様
「うむ。皆の意見、あいわかった。して、管助平、そちはどう思うか?」
軍師 管助平
「順を追って説明していきましょう。
まず、元祖との関係性ですが、私は家臣 乙に賛成です。
郷に入りてはなんとやら、淡水には淡水の特徴があり、それを活かすべき。
つまりホタテガイに準ずる必要はないと考えます。
しかし、大きければよいというものでもない。
確かに防御面では効果は高いが、素材が本来持つ美観、動きを損ねる。
結果として攻撃力は落ちる。すくなくとも、私はこれを装備した相手に打ち負かされることはないでしょう。
それでは、小さければ良いか?
それも否。
確かに視認性は良く、動きも阻害されない。
きわめて攻撃力の高い装備であるといえましょう。
一方で、防御力は低い。さらに、素材があまりに露出することにより、下品かつ粗野な印象が加わり、美観を損ねている側面は否定できませぬ。
シジミはまだしも、小型の巻貝など発疹のごときもの。
むしろなにも装備をせぬほうが良い!
家臣 丙、家臣 丁のように血気盛んな若者はどうしても思想が攻撃重視に偏る。
もっと幅広く人々に受け入れられるものを考慮した場合、小型の貝の採用はとても上策とはなりえぬものと考えます。
続き、イシガイやトンガリササノハガイなどの長細い貝である。
これらは大きさという面から考えると、攻撃力、防御力ともに十分に均衡がとれているかと思います。
しかし、これらの長細い貝は、形状が人の眉毛に似ます。
通常、貝は左右に装備するものゆえ、これら細長い貝は素材に無用の表情を与えてしまう可能性がある。
そして、それは素材本来の姿を印象として凌駕してしまう怖れがあるのです。」
御屋形様
「なるほど。して、そちの思う上策とは?マツカサガイか?それとも、ヨコハマシジラガイか?」
軍師 管助平
「その2種、大きさといい形状といい、かなりの上策と思われます。
採用すれば人心を惹きつけること間違いないでしょう。しかし…」
御屋形様
「しかし、なんじゃ?」
軍師 管助平
「それがしの思う極上の策、それはカラスガイにございます。」
家臣 乙
「ならば私と同じではないかっ!!!!!」
御屋形様
「・・・ふふ、管助平、我は意を得たぞ。幼貝だな。」
家臣 乙
「なっなんですとっ!」
軍師 管助平
「御屋形様、流石にございます。それがしが推すのはカラスガイ、それも4cm~5cmの幼貝、なぜなら・・・」
御屋形様
「欲情、いや、翼状突起をもつからのぅ!
左右に装備することにより、猛々しい印象も加わる。
さすがはわが軍師、天晴なり!」
~以上、軍略会議「淡水版”人魚姫”、胸にはいったい何を装備するか」でした。
「元祖はホタテガイ。なれば大きさが似た、ヌマガイ、ないしはマルドブガイを用いるのが常道!」
家臣 乙
「お言葉ですが、元祖が常に最上とは思えませぬ。ここはカラスガイ、フネドブガイなどの大型の貝を用いて防御を固めるのが上策と存じます。」
家臣 丙
「は、恥ずかしながら、拙者、シジミのように小さき貝のほうが士気はあがりまする。」
家臣 丁
「恥ずかしがることはない。それがしも小型のもので士気が上がる!
むしろマメシジミやドブシジミなどのより小型の二枚貝や、サカマキガイやモノアラガイなどの小さな巻貝の採用も優れた案だと思うのだがこれ如何に!」
家臣戊
「私はイシガイやトンガリササノハガイなどの長細い貝も個性的で悪くはないと思うがいかがだろうか。」
御屋形様
「うむ。皆の意見、あいわかった。して、管助平、そちはどう思うか?」
軍師 管助平
「順を追って説明していきましょう。
まず、元祖との関係性ですが、私は家臣 乙に賛成です。
郷に入りてはなんとやら、淡水には淡水の特徴があり、それを活かすべき。
つまりホタテガイに準ずる必要はないと考えます。
しかし、大きければよいというものでもない。
確かに防御面では効果は高いが、素材が本来持つ美観、動きを損ねる。
結果として攻撃力は落ちる。すくなくとも、私はこれを装備した相手に打ち負かされることはないでしょう。
それでは、小さければ良いか?
それも否。
確かに視認性は良く、動きも阻害されない。
きわめて攻撃力の高い装備であるといえましょう。
一方で、防御力は低い。さらに、素材があまりに露出することにより、下品かつ粗野な印象が加わり、美観を損ねている側面は否定できませぬ。
シジミはまだしも、小型の巻貝など発疹のごときもの。
むしろなにも装備をせぬほうが良い!
家臣 丙、家臣 丁のように血気盛んな若者はどうしても思想が攻撃重視に偏る。
もっと幅広く人々に受け入れられるものを考慮した場合、小型の貝の採用はとても上策とはなりえぬものと考えます。
続き、イシガイやトンガリササノハガイなどの長細い貝である。
これらは大きさという面から考えると、攻撃力、防御力ともに十分に均衡がとれているかと思います。
しかし、これらの長細い貝は、形状が人の眉毛に似ます。
通常、貝は左右に装備するものゆえ、これら細長い貝は素材に無用の表情を与えてしまう可能性がある。
そして、それは素材本来の姿を印象として凌駕してしまう怖れがあるのです。」
御屋形様
「なるほど。して、そちの思う上策とは?マツカサガイか?それとも、ヨコハマシジラガイか?」
軍師 管助平
「その2種、大きさといい形状といい、かなりの上策と思われます。
採用すれば人心を惹きつけること間違いないでしょう。しかし…」
御屋形様
「しかし、なんじゃ?」
軍師 管助平
「それがしの思う極上の策、それはカラスガイにございます。」
家臣 乙
「ならば私と同じではないかっ!!!!!」
御屋形様
「・・・ふふ、管助平、我は意を得たぞ。幼貝だな。」
家臣 乙
「なっなんですとっ!」
軍師 管助平
「御屋形様、流石にございます。それがしが推すのはカラスガイ、それも4cm~5cmの幼貝、なぜなら・・・」
御屋形様
「欲情、いや、翼状突起をもつからのぅ!
左右に装備することにより、猛々しい印象も加わる。
さすがはわが軍師、天晴なり!」
~以上、軍略会議「淡水版”人魚姫”、胸にはいったい何を装備するか」でした。
お時間があるようでしたら、もう一度上から読み返していただけるとうれしいです。
低速が生み出す根性
依然、7G越えによる通信速度制限中。
通常の75Mbpsが.128kbpsになってしまうわけで、ブラウジングはやはり遅い。
ただ、20年前には電話回線を使って56kbpsで通信していたわけで、これでどうこう言うのは贅沢なのかもなぁ。当時の最新鋭高速通信ISDNですら128kbpsだったし。
思い起こせば、モデムから「ピッポッパッポッペッ、ベーンベーン」とプッシュ回線の音をさせながらネットに繋いでいた時代が懐かしい。
当時のネットは繋いだ分だけお金がかかっていたので、一時的に定額になる夜の11時から朝8時までの時間帯、通称テレホタイムを愛用していた。
インターネットエクスプローラが何度タイムアウトしても、果敢に接続を試みる根性は今更ながら賞賛に値する。
あの頃の自分を突き動かしていたのは、間違いなくケシカラン画像を集めんとする強い情意。
つながりにくいネット環境が、「このクリックの先にまだ見ぬスゴイのがあるに違いない!」という思いを強くしていたのかもしれない。
2015初陣
本日は会社を休み、今年初の水中撮影に向かう予定にしていた。
しかし、先日iPadを手にいれてからというもの、すっかり気持ちはそちらに傾き、寒い外に行くよりも布団の中でipadをいじっていたい気分。
仕事の繁忙期には、会社を脱走してでも行きたかった川に、なんだか行くのがめんどくさい。
かみさんにも今日は出かけると告げ、了解をもらっていたので、誰に気兼ねをする必要もなく行けたはずなのだが…
なんだろうか、多少の制限がある状況の方が川に行くテンションが上がるのだろうか。
不思議なものだ。
朝起きてからしばらく、布団の中でipadをいじりながらグズグズし、昼過ぎになってようやくカジカの産卵を狙うために、川へと繰り出すことにした。しかし、その後もコンビニに寄ったり、飯を食ったりして結局3時過ぎにようやく到着。
やれやれ、一時間ほどやるか…
もう、自分でもなぜ来たのかわからぬくらい低いテンションである。
しばらく車の座席でもうひとグズグズしたのち、着替え、しぶしぶ川に入る。
水に顔をつけると、なんだか川底が美しくない。
石の表面には糸状藻類とその上になんだかシルトみたいなものがのっているし、石の下を覗くと造網型のトビケラの巣がみっちり付いている。しばらく探しまわったが、魚影もない。
こんなんで産卵なんかしてるのか?
しびれを切らして川底の石を片っ端からめくることにした。
めくり続けること30分ほどだろうか、ようやく1箇所だけ卵が見つかった。
ただし、保護個体は石をめくった瞬間にどこかに行ってしまった。
やっとの思いで見つけた卵とカジカだっただけに、個体が逃げ去ったショックはことのほか大きく、せっかく見つけた卵もなんだか適当な写真を一枚撮っただけで終わってしまった。
本日の成果はこれだけ。
カジカには申し訳ないことをした。
しかし、卵塊はだいぶ孵化している感じだったな。
時期的に遅かったのだろうか?
まぁ大体一年の初戦なんてこんなもんさ。
ここ数年はジュズカケを狙って影も形も見あたらない、という結果が続いていただけに卵だけでもあってよかった。
次はマルタかな。
2015年3月24日火曜日
DocuWorks Viewer Light Bizで、Docuworksファイル(xdw)をiPadで見てみる。
さて、iPad導入にあたってやりたいことがいくつかありました。
その一つが文献をiPadに入れて持ち運ぶという作業。
現場屋としては生き物同定用に不可欠な文献があるので、これがiPad一つに入るというのは持ち運びの上でずいぶん助かるわけです。
基本的に文献はFuji Xeroxのソフト、Docuworks形式で電子化してあるものが多いので、iPadでもこれが読めるように試行錯誤してみる。
さて、まずアプリとしてDocuWorks Viewer Lightをダウンロードしてみたところまではよいのだが、ここから先がどうやったらよいのかつまずいた。Google driveやDropBoxなどのクラウドサービスに、Docuworks化したファイルを入れ、よみこんでみたのだが、表示ができませんとのこと。
調べてみると、どうやらこういう作業はiTunesを通してやらないとだめなようだ。
はたして、iPadをiTunesに接続。iTunes上のAppタブで、下のほうにあるファイル共有欄でアプリを選択。そこにファイルをドラッグアンドドロップしてやれば無事にiPadにファイルが転送されたのでありました。
その一つが文献をiPadに入れて持ち運ぶという作業。
現場屋としては生き物同定用に不可欠な文献があるので、これがiPad一つに入るというのは持ち運びの上でずいぶん助かるわけです。
基本的に文献はFuji Xeroxのソフト、Docuworks形式で電子化してあるものが多いので、iPadでもこれが読めるように試行錯誤してみる。
さて、まずアプリとしてDocuWorks Viewer Lightをダウンロードしてみたところまではよいのだが、ここから先がどうやったらよいのかつまずいた。Google driveやDropBoxなどのクラウドサービスに、Docuworks化したファイルを入れ、よみこんでみたのだが、表示ができませんとのこと。
調べてみると、どうやらこういう作業はiTunesを通してやらないとだめなようだ。
はたして、iPadをiTunesに接続。iTunes上のAppタブで、下のほうにあるファイル共有欄でアプリを選択。そこにファイルをドラッグアンドドロップしてやれば無事にiPadにファイルが転送されたのでありました。
2015年3月23日月曜日
7G越え
今月のデータ通信量が7Gを超えたので、速度制限しますとの通知が来た。
お金を追加で払えば解除できるらしいが、まぁ、ここは甘んじて速度制限を受けるとしよう。
なにせここ一か月はずいぶんiPhoneを酷使したからね。
でも、おそらく通信量の増加の最大の原因はYoutubeだと思う。
先日、子供がSEKAI NO OWARI のDragon nightを聞きたいというので検索した。
しかし、なかなかに本物の歌が出てこない。
別の人のカバーしているYoutubeチャンネルが出てくるのだが、多くは聞くに値しない素人のカラオケとかそんなのばかり。
そんなこんなで「あ~もう!」と探すうち、なんだかひときわ耳にとまる動画がヒット。
Uruさんという歌手らしいのだが、歌のうまさが尋常じゃない。
私だけではなくかみさんにもはまったようで、二人してチャンネルにあるほとんどの歌を聞いてしまった。まだCD等は出していないようだが、出したら売れそうだけどなぁ~
お金を追加で払えば解除できるらしいが、まぁ、ここは甘んじて速度制限を受けるとしよう。
なにせここ一か月はずいぶんiPhoneを酷使したからね。
でも、おそらく通信量の増加の最大の原因はYoutubeだと思う。
先日、子供がSEKAI NO OWARI のDragon nightを聞きたいというので検索した。
しかし、なかなかに本物の歌が出てこない。
別の人のカバーしているYoutubeチャンネルが出てくるのだが、多くは聞くに値しない素人のカラオケとかそんなのばかり。
そんなこんなで「あ~もう!」と探すうち、なんだかひときわ耳にとまる動画がヒット。
Uruさんという歌手らしいのだが、歌のうまさが尋常じゃない。
私だけではなくかみさんにもはまったようで、二人してチャンネルにあるほとんどの歌を聞いてしまった。まだCD等は出していないようだが、出したら売れそうだけどなぁ~
科学記事雑感:イエティの正体
このところ、イエティが熱い。
イエティは、言わずと知れたヒマラヤ山脈に住むと言われている未確認動物だけれど、正体は霊長類なのか、それともそれ以外の動物なのかは議論が分かれるところであった。
そんな状況の中、昨年イギリスの科学雑誌Proceedings of the Royal Society Bに、イエティのものとされている毛のDNAには40,000年前のホッキョクグマの化石と共通性があることを示した論文が掲載された。
続けて今年、オンライン誌Zookeysに掲載された論文によると、イエティのDNAを現生するクマおよび絶滅した種のサンプルと照合したところ、イエティは絶滅種ではなく、ヒグマやグリズリーで知られるUrsus arctosとホッキョクグマUrsus maritimusに近いという結果が得られ、ヒマラヤに生息する現生の希少種Ursus arctos isabellinusではないかと推論されている。
今後どういう展開で話が進むかはよくわからないけれど、いずれにせよイエティがクマだったという話はある程度決定なのでしょうな。
なんというか、こういう知っても一文の得にもならないけれど、皆が知りたいと思ったことに対して、科学的に検証されて一流科学雑誌で紹介されるということがなんだか素晴らしいと思ったのでありました。
ちなみに、Ursus arctosとUrsus maritimusは遺伝的にはかなり近い関係にあるらしく、近年は温暖化でホッキョクグマの夏場の生息地が狭くなっているために、グリズリーの生息域と接触し、両者の交雑が起きているそうだ。これはこれで面白い…といったら不謹慎かもしれないが、生態的種分化の証明みたいな感じではないだろうかと思ったりもする。
見た目ではホッキョクグマとグリズリーなんてだいぶ違うように見える。淡水魚で考えると、カワムツとヌマムツのほうがずっと近いように見えるけれど、これら2種は交雑の記録がない。そもそも人にしたって人種によって別種に見えるけれど交雑(?)はする。なんだか形態の差と遺伝的な差のギャップがよくわからない今日この頃である。
蛇足
Zookeysの論文の系統樹を見ると日本のツキノワグマはほかのクマからだいぶ遺伝的に離れている。ほかのクマとはちょっと違う特殊な進化の過程を得ているのかもしれない。
<参考>
イエティは、言わずと知れたヒマラヤ山脈に住むと言われている未確認動物だけれど、正体は霊長類なのか、それともそれ以外の動物なのかは議論が分かれるところであった。
そんな状況の中、昨年イギリスの科学雑誌Proceedings of the Royal Society Bに、イエティのものとされている毛のDNAには40,000年前のホッキョクグマの化石と共通性があることを示した論文が掲載された。
続けて今年、オンライン誌Zookeysに掲載された論文によると、イエティのDNAを現生するクマおよび絶滅した種のサンプルと照合したところ、イエティは絶滅種ではなく、ヒグマやグリズリーで知られるUrsus arctosとホッキョクグマUrsus maritimusに近いという結果が得られ、ヒマラヤに生息する現生の希少種Ursus arctos isabellinusではないかと推論されている。
今後どういう展開で話が進むかはよくわからないけれど、いずれにせよイエティがクマだったという話はある程度決定なのでしょうな。
なんというか、こういう知っても一文の得にもならないけれど、皆が知りたいと思ったことに対して、科学的に検証されて一流科学雑誌で紹介されるということがなんだか素晴らしいと思ったのでありました。
ちなみに、Ursus arctosとUrsus maritimusは遺伝的にはかなり近い関係にあるらしく、近年は温暖化でホッキョクグマの夏場の生息地が狭くなっているために、グリズリーの生息域と接触し、両者の交雑が起きているそうだ。これはこれで面白い…といったら不謹慎かもしれないが、生態的種分化の証明みたいな感じではないだろうかと思ったりもする。
見た目ではホッキョクグマとグリズリーなんてだいぶ違うように見える。淡水魚で考えると、カワムツとヌマムツのほうがずっと近いように見えるけれど、これら2種は交雑の記録がない。そもそも人にしたって人種によって別種に見えるけれど交雑(?)はする。なんだか形態の差と遺伝的な差のギャップがよくわからない今日この頃である。
蛇足
Zookeysの論文の系統樹を見ると日本のツキノワグマはほかのクマからだいぶ遺伝的に離れている。ほかのクマとはちょっと違う特殊な進化の過程を得ているのかもしれない。
<参考>
Sykes, B. C., Mullis, R. A., Hagenmuller,
C., Melton, T. W., & Sartori, M. (2014). Genetic analysis of hair samples
attributed to yeti, bigfoot and other anomalous primates. Proceedings of the
Royal Society B: Biological Sciences, 281:1789
Gutiérrez EE, Pine RH (2015), No need to
replace an “anomalous” primate (Primates) with an “anomalous” bear (Carnivora,
Ursidae). ZooKeys, 487: 141-154.
大変な騒ぎ
iPad mini2とTG-3の両方を手にした(TG-3は会社のだけど)。
これは大変な騒ぎだ。
例えるならば、プールに行き、気立てがよさそうでかつグラマーな黒髪のおねいさんの水着姿を拝んだあげく、アクシデントで水着のひもがほどけてしまうのを目撃したくらい、の大騒ぎだ。
この際どちらがおねいさんで、どちらが水着かなどはどうでもよい。
数日はいい夢見れそうだ。
これは大変な騒ぎだ。
例えるならば、プールに行き、気立てがよさそうでかつグラマーな黒髪のおねいさんの水着姿を拝んだあげく、アクシデントで水着のひもがほどけてしまうのを目撃したくらい、の大騒ぎだ。
この際どちらがおねいさんで、どちらが水着かなどはどうでもよい。
数日はいい夢見れそうだ。
…などと思っていたら、娘からメールが。
なにやらとても怒っている。
水着のおねいさんどころではない。
芋けんぴ買って早く帰らねば…
2015年3月22日日曜日
科学記事雑感:所変われば
海の向こう、アメリカはカリフォルニア州ではデルタスメルト(Hypomesus transpacificus )というワカサギの仲間が絶滅寸前なのだそうだ。
この記事では、最後の6尾しかいない!的な書き振りだが、これはあくまで捕獲数なので実際にはもう少しいるのかもしれない。しかし、かつてはごく普通にいる種だったようなので極端に少なくなっているのは間違いないなさそうだ。
減少原因として、外来種、水の塩分濃度や透明度の変化などが挙げられており、長く保全対策がとられているにもかかわらず事態は悪化の一方のようで、打開の糸口は全く見えていない感じ。
日本では今のところ各地にワカサギはいるし、そんな心配はなさそうだ。というより、至る所で放流されていて、どれが在来個体群なのかもはやさっぱりわからない。
これはこれでなんだかなぁ。
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