2015年3月27日金曜日

続、分布の分からぬ種(アカザ)

このところ花粉がマックスだ。
いったんくしゃみをしだすと止まらない。
朝、おにぎりを食べている最中にくしゃみが始まり、難儀をした。
そして、夕方、口の中にどこからともなくご飯粒が現れた。
不思議なような、得したような、謎の感覚である。
いったいどこに格納されていたのか・・・

さて、先日古い資料を見る機会があったので、これならば移植で拡散する前のアカザの分布がわかるのではないかと思い、ついでに調べてみた。

まずは図鑑2つ。
1)    中村守純.(1963). 原色淡水魚類検索図鑑. 北隆館.
2)    静岡県生活環境部自然保護課, 板井隆彦.(1982).静岡県の淡水魚類. 第一法規出版.

1)によると、日本海側は雄物川以南、太平洋側は富士川以西の本州、四国、九州に分布するとのこと。
2)によると、日本海側は雄物川以南、太平洋側は阿武隈川を北限ないし東限とした本州、四国、九州に分布。ただし、本州中部以東の分布は不連続で、日本海側では石川、富山両県にはほとんど分布しない。太平洋側では、静岡県中部以東では栃木県などから局所的に見つかっているだけで、静岡県内では安倍川水系から東側では全く見つかっていないとのこと。

続けて、環境庁の第三回自然環境保全基礎調査(1988年)を見てみると、東京、埼玉、千葉、茨城、栃木、山梨、静岡にはプロットがない。また、新潟以北、福島以北も同様にプロットがない。ただ、群馬県は利根川筋にプロットがあるように見える。

うーむ。これらを総合すると、やはり利根川水系のアカザには簡単に判断は下せない感じだなぁ。栃木、群馬はどの文献にも記録があるわけではなく、当時は少なかったんだろうという印象を受ける。少なくとも現在のように割と簡単に捕まるような状況じゃなかったっぽい。
阿武隈川については、図鑑2)で1957年(青柳兵司:日本列島産淡水魚類総説)の文献をもとに言及しているので、移植ではなくもともといたのだろうなぁという印象である。

いずれにせよ、東京、神奈川、千葉、静岡東部、山梨あたりは本種の空白地帯であったとみてよさそうだ。こんな分布をしている種ってほかにいるのだろうか…。

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