2015年3月26日木曜日

軍略会議:攻撃と防御の均衡

家臣 甲
「元祖はホタテガイ。なれば大きさが似た、ヌマガイ、ないしはマルドブガイを用いるのが常道!」

家臣 乙
「お言葉ですが、元祖が常に最上とは思えませぬ。ここはカラスガイ、フネドブガイなどの大型の貝を用いて防御を固めるのが上策と存じます。」

家臣 丙
「は、恥ずかしながら、拙者、シジミのように小さき貝のほうが士気はあがりまする。」

家臣 丁
「恥ずかしがることはない。それがしも小型のもので士気が上がる!
むしろマメシジミやドブシジミなどのより小型の二枚貝や、サカマキガイやモノアラガイなどの小さな巻貝の採用も優れた案だと思うのだがこれ如何に!」

家臣戊
「私はイシガイやトンガリササノハガイなどの長細い貝も個性的で悪くはないと思うがいかがだろうか。」

御屋形様
 「うむ。皆の意見、あいわかった。して、管助平、そちはどう思うか?」

軍師 管助平
「順を追って説明していきましょう。
まず、元祖との関係性ですが、私は家臣 乙に賛成です。
郷に入りてはなんとやら、淡水には淡水の特徴があり、それを活かすべき。
つまりホタテガイに準ずる必要はないと考えます。
しかし、大きければよいというものでもない。
確かに防御面では効果は高いが、素材が本来持つ美観、動きを損ねる。
結果として攻撃力は落ちる。すくなくとも、私はこれを装備した相手に打ち負かされることはないでしょう。

それでは、小さければ良いか?
それも否。
確かに視認性は良く、動きも阻害されない。
きわめて攻撃力の高い装備であるといえましょう。
一方で、防御力は低い。さらに、素材があまりに露出することにより、下品かつ粗野な印象が加わり、美観を損ねている側面は否定できませぬ。
シジミはまだしも、小型の巻貝など発疹のごときもの。
むしろなにも装備をせぬほうが良い!
家臣 丙、家臣 丁のように血気盛んな若者はどうしても思想が攻撃重視に偏る。
もっと幅広く人々に受け入れられるものを考慮した場合、小型の貝の採用はとても上策とはなりえぬものと考えます。

続き、イシガイやトンガリササノハガイなどの長細い貝である。
これらは大きさという面から考えると、攻撃力、防御力ともに十分に均衡がとれているかと思います。
しかし、これらの長細い貝は、形状が人の眉毛に似ます。
通常、貝は左右に装備するものゆえ、これら細長い貝は素材に無用の表情を与えてしまう可能性がある。
そして、それは素材本来の姿を印象として凌駕してしまう怖れがあるのです。」

御屋形様
 「なるほど。して、そちの思う上策とは?マツカサガイか?それとも、ヨコハマシジラガイか?」

軍師 管助平

「その2種、大きさといい形状といい、かなりの上策と思われます。
採用すれば人心を惹きつけること間違いないでしょう。しかし…」


御屋形様
「しかし、なんじゃ?」

軍師 管助平
「それがしの思う極上の策、それはカラスガイにございます。」

家臣 乙
「ならば私と同じではないかっ!!!!!」

御屋形様
「・・・ふふ、管助平、我は意を得たぞ。幼貝だな。」


家臣 乙
「なっなんですとっ!」

軍師 管助平
「御屋形様、流石にございます。それがしが推すのはカラスガイ、それも4cm~5cmの幼貝、なぜなら・・・」


御屋形様
「欲情、いや、翼状突起をもつからのぅ!
左右に装備することにより、猛々しい印象も加わる。
さすがはわが軍師、天晴なり!」

~以上、軍略会議「淡水版”人魚姫”、胸にはいったい何を装備するか」でした。

お時間があるようでしたら、もう一度上から読み返していただけるとうれしいです。

2 件のコメント:

  1. 上の陣形だけでは片手落ち。是非シモにはTridacna gigasを配置せしめしたもう。

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    1. ううむ。恥ずかしながら、某には、シャコに代わる淡水の生物は見当りませぬ。されど、下の陣については他方で思慮を凝らしておりました。乞うご期待くだされ(管助平)。

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