2014年4月12日土曜日

産卵行動体験記 ウグイ 3:撤収

ウグイとマルタの産卵群の混群は、文献で読んだことはあったけれど、自分の目で見るのは初めてでした。それどころか、ウグイの産卵に撮影可能な体勢で遭遇したこともありませんでした。



ウグイ自体はどこにでもいる魚だし、人工産卵床を使った漁が行われているくらいだから産卵場もよく知られている。しかし、自然状態の産卵に会おうと思うとなかなか大変です。

基本的には春の雨後翌日に産卵するのですが、雨後でも産卵したりしなかったり、ある場所ではしなくても別の場所ではしていたり。家の前に川があるなら良いけれど、市街地に住む普通のサラリーマンが出掛けていって出会うのはなかなかにむつかしい。
かなりの部分、運だよりです。
かくいう私も、ここ数年探し歩いていたのですが、産卵していると言い切れる群れには遭遇できませんでした。

まさかこんな形で出会うとは…そう思いながら、動画と写真の撮影に没頭しました。

撮影することしばし、なにやら雲行きがかなり怪しくなってきました。天気予報で言っていた通り、雷雨が来そうだ。
ウグイに集中するあまり、マルタの撮影はあまりできなかったけれども、ここは安全第一。急いで撤収することにしました。

ちなみに、この時点で13時。帰る約束の時間を大幅オーバーしていました。
いつもこうして自分の家庭内での立場を危うくしているのだろうなぁ。

「こんなチャンスは二度とはいんだ!」
という主張は誰にも届かないのが痛いところです。
家に帰っていかに謝るか・・・そんなことを考えながら引きあげました。

産卵行動体験記 ウグイ 2:マルタだけじゃない!?

二時間ほど時間をつぶした後、ふたたび同じ瀬に戻りました。
すると、幸運なことに、釣り人達はいません。
午後から天候が崩れる予報だったので、そのせいかもしれません。

 
瀬をみれば、なおひっきりなしの水しぶき。止んでいる気配はありません。
ここ数年、春のマルタ釣りがブームとなっている多摩川で、こんなチャンスはまたとない。

「誰も来てくれるなよ!」

そう思いながら河原を走りました。

ヒップウェーダーで川を横断したため、股間部が激しく濡れていきますが、そんなことはまったく気になりません。
転がり込むように現場に向かいました。

「やった!」
周囲には誰もいない。

そっと水しぶきの上がる瀬近づいてみる。
・・・・・近くで見てもしぶきは止みません。
はやる気持ちを抑えきれず、瀬に立ち入り、早速カメラを向けました。

が・・・なんと、こんな大チャンスを前にカメラのシャッターがおかしいではないですか。
ハウジングをつけたままでは、全くシャッターが切れない。
イラついて瀬の中で立ち上がると、目の前で群れていたマルタ達が下流へ散っていきました。

さて、シャッターの不調ですから、カメラをハウジングから取り出して確認しなければなりません。
陸に移動するために、私は川の流心に向いていた体を反転させ、岸向きにしました。
すると、足元からは、また別の群れが散っていきました。

ハテ…?

散っていく魚たちだが、なにやらマルタより少し小さく、赤金色に見える。
「ひょっとして・・・ウグイ!?」
シャッター不良のカメラを手にしながら当惑することしばし、シャッターが切れぬならば…と、動画のスイッチをオン。そのまま川にぶちこみました。

別のカメラを取りにいったん車にもどり、帰ってきてカメラを川から回収。
動画を再生してみると、はたして記録されていたのは、赤黒金に色づいたウグイの産卵群でした。

2014年4月10日木曜日

産卵行動体験記 ウグイ 1:瀬に上がる飛沫

"ウグイ類の産卵を見るために必要な行動は二つ、一つは春に雨後翌日の川に出かけること、そしてもう一つは川についたら瀬をじっと眺めること。
瀬に水しぶきが立っていたらしめたものだ。きっとそこにはウグイの仲間が産卵している。
しかし、遭遇するのに一番必要な要素は運だと思う。"

 

年度の変わり目は年間でもっとも仕事が落ち着く期間だ。
子供たちも春休みということもあって、家庭内の行事が盛んになる。
しかし、私にとっては、同時に魚達が産卵に動き出す頃でもあることが悩ましい。

先週末は、実家に帰省していたのですが、川の様子が気になってしょうがない。
そんなわけで帰省中にもかかわらず、日曜日、午前中に帰ることを家族と約束して、近所をながれる多摩川へと向かいました。
お目当ては、マルタの産卵です。

川について下流方向へ歩くこと数分。
2つ目の蛇行部にあったチャラ瀬で、水しぶきが上がるのを見つけました。
かなり激しく、間断なく上がっている。
これまで見てきたマルタの産卵では、こんな状況は遭遇したことがありませんでした。

しぶきが一度上がると、数個体が水面から顔を出す。
しばらくして、別の場所で同じことが起きる・・・というのが産卵時のマルタの一般的な行動です。

今日のはよほどに大きなピークなんだなぁ・・・。そう思っていました。

この瀬にはすでに数人の釣り人がはいっていて、後から来た私が中に入ってカメラを構えるのはちょっと難しい感じでした。
そのため、とりあえず遠目から数枚、瀬の状況を撮影して、別の場所を探すことにしました。 

2014年4月6日日曜日

春のフィーバー

昨日から今日まで自分の実家に帰省。
昨日はじっとしていたが、今日は午前中川へと繰り出した。
で、成果はというと、コイとフナとウグイとマルタ、実に4種の淡水魚の産卵に出くわした。
こんな大当たりは初めてだ。

このところ、ジュズカケハゼ探索で外れ続けているので、なんというか外れ癖のようなものがついていた。だもんで、この大当たりぶりにはえらく動揺してしまった。
車に機材をとりに帰ってもどったら、さらに忘れ物に気づいて再び・・・という動きを繰り返すこと数回。決して近くはない距離の河原を歩き回っていたので、すっかり足がだるい。
今日の観察では、ウグイとマルタの産卵場と産卵行動の微妙だけれども結構明確な差異や、フナの産卵などに関して新発見が多かったのだが、それはまたおいおい個別に記すことにした。
忘れないようにしないとなぁ。

ウグイとマルタ
コイ
フナ(ギンブナ?)