2014年5月1日木曜日

E-PL5用 防水プロテクター PT-EP10の使用感

昨秋から使用してみての感想をいくつか。

基本的にはE-PL1用防水プロテクターPT-EP01と似ています。
以前のEシステム(マイクロフォーサーズの前のフォーサーズ)のハウジングと比べると、小さくて軽く、機動力が高い。Eシステム比、手持ちで移動するときは大変助かります。

ただし、軽快だけあって、堅牢性はやや落ちているように思えます。
一番気になるのが、レンズ面の強度です。
以前で中古で買ったPT-EP01のレンズ面がいきなりコーティングがはがれ+傷がついていたので、「前の使用者はどんな使い方してたんじゃ!」と思っていました。
しかし、自分も新品購入したPT-EP10を購入して1か月程度で、大した無茶もしていないのにレンズ面に小傷を入れてしまうことに。

E-system時代はカメラを入れるハウジングのほかに、それにつけるレンズを入れるためだけの筒(ポート:ガラス+金属製)が必要でした。これが(たとえばPPO-E02など)、筒だけでPT-EP10と大差ない値段がしていただけに、強度も一緒じゃ割に合わないといえばそうなのでしょう。

ちなみに、先日のウグイの撮影では、このカメラに重りをつけて川に投入して動画を撮りました。
この時、ポート部がプラスチック製のために軽すぎて、レンズ部が流れに揺られてふらふらと動いていました。こんな使い方をする人は、ほかにはまぁいないと思うのですが、ポート部外周が金属だったらなぁ・・・なんて思ったりもしました。

それから、もう一点気に入らないことがあります。
それは背面のボタンが隣接しすぎていることです。
特に、E-PLシリーズは絞りや露出補正を調整するダイヤルがない。そのため、ボタン操作でこれらを設定せねばならないため、これは厳しい。
正直、厚手のダイビンググローブをつけた場合、ボタン操作は至難の業であります。

実は、以前所有していたE-PL1+PT-EP01の時も同じような不満を持っていて、結果として旧型だけれども操作しやすいE-420+PT-E03を使用していました。
さすがにE-PL5となると、E-420よりも高感度を中心にだいぶ性能が上がるので、E-420+PT-E03を使うということはないのですが、これは改善してほしいです。

いろいろ書きましたが、まとめると、問題点は堅牢性と操作性、利点はコストパフォーマンスの高さと軽快さです。私のように手荒く使わずに、ダイビングのたびにしっかり手入れしながら使用されるには非常に良いと思います。

2014年4月29日火曜日

産卵行動体験記 ウグイ 7:繁殖の収斂進化?

ウグイ(Tribolodon hakonensis)の放卵放精の画像、映像を確認していると、改めて思ったことがあります。


雌雄ともに産卵期になると赤黒くなって、体中に追星が出てサメ肌になる。それでもって、雨後に大集団で瀬に集まって産卵する。
なんだか同じような特徴を持つ魚がいるような・・・そう、アユです。アユの産卵時にとても似ているように思えるのです。
アユも産卵期には雌雄問わず赤黒い婚姻色を呈し、体表が硬化し、さらには雨後に大集団で同じようにぐしゃぐしゃと産卵します。特にこの写真の真ん中のたち上がっている個体なんて産卵時のアユそっくりのフォルムに見えました。

アユとウグイは分類的にはかなり遠い位置関係にあります(あくまでも魚の中での話ですが)が、産卵時には同じような瀬の小礫環境を好むという点で共通しています。
2種の産卵行動を見る限り、こうした環境で産卵する魚はなるべくして赤黒の婚姻色や体表面の硬化、大集団の産卵といった特徴を持つようになったように見えます。
いってみれば、繁殖の収斂進化(※)とでもいうべきでしょうか。

どうして彼らがこのような特徴を持つようになったのか、この謎を直接解く方法はちょっとわかりません。しかし、繁殖行動を観察することでヒントを掴めそうな魚種には心当たりがあります。
それはエゾウグイです。
エゾウグイはウグイと近縁で、形態も酷似しており、繁殖期以外は種を判別することすら困難です。
ところが、繁殖期になると一目瞭然。
ウグイが派手な赤黒の婚姻色を呈するのに対して、エゾウグイはほとんど婚姻色が出ません。きっと彼らには婚姻色を出さなくてよい理由があるはずです。
裏を返せば、産卵環境、行動の差を見ればウグイが赤い理由も少しは見えてきそうです。

そんなわけで、今、エゾウグイの産卵が見たくて仕方がありません。
本州で見ようと思うとかなり場所探しが大変だしなぁ、、、見るならやっぱりどこにでも生息している北海道だろうなぁ。。。
しかし、産卵は雨次第なので、ちょっと行って見られるような種でもなく、打つ手がない。
一年くらい北海道転勤にならないかなぁ…なんて思ってみる今日この頃でした。

※収斂進化:複数の異なるグループの生物が、同様の生態的地位についたときに、系統に関わらず身体的特徴が似通った姿に進化する現象(例:鳥とコウモリ)。

産卵行動体験記 ウグイ 6:流れゆく卵

流れ出ていく放卵放精後のウグイ(Tribolodon hakonensis)の卵。


動画を見ていてもわかるのですが、産卵後の卵はかなりの量、下流へと流れ出てしまいます。
流れてしまった卵の行く末は、普通に考えると正常な発生にはつながりそうにもありません。きっとほかの魚の餌になってしまうでしょう。
ひょっとすると、卵食個体に食べられてしまう卵の量は、こうして流れてしまう卵の量に比べるとずいぶん少ないのかもしれません。
肉を切らせて骨を・・・ではないですが、多少の卵が食べられても、それで礫への産着率が上がるならむしろ卵食歓迎、ウグイはそんな戦略をとっている魚に思えます。

雌雄問わず発する赤色の婚姻色は、卵食個体をも含めた大産卵集団を作るためのものなのではないでしょうか?
また、同じく雌雄を問わず体の前半に出る追星は、産卵群に頭を突っ込んで卵食いをするための形質で、これによって自分を含めた集団の適応度が上昇するために発達してきた形質ではないでしょうか?

2014年4月28日月曜日

産卵行動体験記 ウグイ 5:放卵・放精と卵食個体の役割

ウグイの放卵放精はマルタと同じように、3~5個体程度の集団で行われていました。
しかし、放卵放精をしている集団のほかに、後ろに頭から突き刺さってくる個体がたくさんいました。こうした個体はマルタではあまり見られません。

最初に見た激しい水しぶきの正体は、水上にでた彼らの尾が生み出したしぶきだったのです。

頭を集団の中に突っ込んでいる様子から見て、彼らはおそらく卵食個体だと思われます。
放卵放精に参加する個体ならば頭より排泄口を集団に近づけるでしょう。


さて、卵食という放卵放精した集団にとっては迷惑に見えるこの行動。
逆説的なのですが、動画、写真を見ているうちに、どうも彼らの存在は産卵集団にとって必要な存在に思えてきました。


第一に、産卵集団は彼らを追い払うような行動を全くとりません。
卵食がとても迷惑な存在ならば産卵集団にも、もう少し何か対抗策が発達していてもよさそうです。


第二に、卵食個体が突入したときに河床の砂利が突き崩され、それが産卵群の卵が砂利に付着する上で重要な役目を果たしているように見えるのです。動画で見ると、「ジャッジャッ!」という砂利をあさる音がします。
マルタの場合、放卵放精時に産卵集団全個体が水面に顔を出して立ち上がるような行動をとり、この時に尾びれで川底をおこしているように見えます。
ウグイの場合は、マルタよりも体サイズが小さいため自力で川底を掘り起こす力が弱く、卵食個体の力を借りて礫の攪拌を行っているのではないかと思われます。

2014年4月27日日曜日

打ちのめされた好奇心

本日は連休恒例の畑仕事。
まぁ、大した大きさでもないのだが耕して種まきを決行。

今年はブロッコリー、エダマメに加えて、好奇心からオカヒジキなるものの種もまいてみた。
その旨をかみさんに告げたところ、以下の回答を得た。


料理法のわからん野菜をむやみに植えるな!
しかも種からだと?
誰が畑を見るんだよ!
農家じゃないんだから苗ものにしやがれ!コノヤロウ。


好奇心がかわいいなどともてはやされるのはせいぜい結婚前までのようだ。