2014年4月29日火曜日

産卵行動体験記 ウグイ 6:流れゆく卵

流れ出ていく放卵放精後のウグイ(Tribolodon hakonensis)の卵。


動画を見ていてもわかるのですが、産卵後の卵はかなりの量、下流へと流れ出てしまいます。
流れてしまった卵の行く末は、普通に考えると正常な発生にはつながりそうにもありません。きっとほかの魚の餌になってしまうでしょう。
ひょっとすると、卵食個体に食べられてしまう卵の量は、こうして流れてしまう卵の量に比べるとずいぶん少ないのかもしれません。
肉を切らせて骨を・・・ではないですが、多少の卵が食べられても、それで礫への産着率が上がるならむしろ卵食歓迎、ウグイはそんな戦略をとっている魚に思えます。

雌雄問わず発する赤色の婚姻色は、卵食個体をも含めた大産卵集団を作るためのものなのではないでしょうか?
また、同じく雌雄を問わず体の前半に出る追星は、産卵群に頭を突っ込んで卵食いをするための形質で、これによって自分を含めた集団の適応度が上昇するために発達してきた形質ではないでしょうか?

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