川に入るのは初めてだった。
ウトロ側に比べると季節の進行が早いのだろうか、産卵行動が見られたのはサケだけだった。狙いのカラフトはいるにはいるがごくわずか。産卵行動は見られない。
そんなこんなで、撮影はサケに絞る。
手ごろなペアを発見して、さあ撮影、というところで機材に処々のトラブル発生。
以下、個人的メモ。結論、置き撮りに関しては大きくて重い機材が一番いい。
<SeaFrogs
E-M1ハウジング+E-M1+M.ZD12-40mm>
・M.ZD12-40mmが使えるが、使える画角は20-40mm(35mm換算40-80mm)で広角側がケラレる。
・防水性能はよろしい。
・大きさの割に軽い。泳いでも置き撮りでもウェイトは必要(置き撮りの場合かなり必要)。
・置き撮りの場合、下面が狭く不安定。ウェイトの付け方重要。
・ストロボは使える。
・当たり前だがスイッチ類は使える。
・LUMICA
Wireless Lineの取り付けが難しい。
<PT-E01+E-M1+M.ZD12-40mm>
・M.ZD12-40mmにケラレはない。
・もとはE-300用だが案外ぴったり。少し詰め物があったほうが浮力は抑えられる。
・中に詰めるものが多いと蓋が浮くので要注意。
・重くて安定しているので置き撮り時のウェイトはそれほどいらない。
・ストロボは使えない。
・当たり前だがスイッチ類は使えない。
・ストロボの電子接点使えばLUMICA
Wireless Lineが水中でも行けるかも。
・Wi-Fiはふたを閉める前に接続しておく必要アリ。
・LUMICA Wireless Lineの取り付けがしやすい。
・だいたい一時間半は連続撮影可能。
<PT-E050+GF7+LUMIX12-32mm>
・ケラレなし。
・もとはXZ-1用だが案外ぴったり。ただし、ハウジング内部のボタン類は全て限界までカットしないとボタンにあたる。
・Wi-Fiボタンはあらかじめ押しておく必要アリ。
・ストロボは使えない。
・当たり前だがスイッチ類は使えない。
・Wi-Fiボタンはふたを閉める前に押しておく必要アリ。
・小さいのでケーブル用に一部を水上に出すことは困難。
<LUMICA
Wireless Line>
・水中に先端を沈めるとダメ。
・ Wireless Lineの名前が矛盾している。
<GoPro>
・深いところは角度に要注意。あおり気味にすると河床が写らず、太陽光で変なチンダル現象が入ってしまう。
肝心のサケは、いい感じに産卵床が出来ていたのだが、ペアのオスが縦帯があってなんだかメスみたいだった。顔は鼻曲がりでまごうことなきオスの顔なのだが、メスのように産卵床を掘るような振る舞いをする。
他のオスに排他行動をとるのだが、攻撃されたオスはなにやら反撃してよいのか悪いのかという動きをする。メスもまた、これとペアでいいのかどうか迷っている感じで一向に産卵が進まない。
結果、放卵放精は見れず。
撮影機材の画角が35mm換算40mmしか使えなかったので、妙にドアップのサケを映して終了。ただ、これはこれでよいのでは?とは思っている。
それにしても、羅臼の川はオショロコマ多いですな。サケペアの後ろに大量のオショロコマが背景として入っているのがここらの川の特徴なのかもしれない。
オス同士の闘争 最初、メスの前で争っていた2尾だが、いつの間にかメスそっちのけで争い始め、決着がついたころにはメスがいなくなっていた。産卵行動を観察していると、オスってバカだなぁと思う瞬間がしばしばある。 |
サケのペア 大体がアップでしか撮れなかったのだが、これはこれで悪くないか。 |
オスの排他行動 ちなみに噛みついているのがオカマっぽいオス |
オスの排他行動を上から見たところ。 |
メスの産卵床造成 |
ペアの後ろには卵食いオショロコマが大量につく。たまにペアに追い払われている。 |
撮影後移動がてら、半島付け根部分のサクラマス観察スポットを教えてもらった。
ここもサクラマスが産卵行動中。
話によると、例年今時期が終盤とのこと。
サクラマス産卵行動中 |
帰りはウトロでラーメンを食べてラウスへ戻った。
知床峠で中秋の名月を拝む。
長時間露光だと月が太陽みたいになってしまう。 月も風景も肉眼で見たままで撮りたい時、どうやってとったらよいのだろう? 超高感度で短時間露光にすべきなのか?? |
ついでに羅臼岳も拝む。
羅臼岳 25年前登った。今や登る気になれない。 |
気温は13度ほど。思ったよりは寒くはないのだが、なんだろうか、北海道の冬が迫りくるこの雰囲気は、どうにも懐かしくも切ない感じが込み上げてくる。
おしまい。