2016年10月7日金曜日

利根川下流域のすずめ焼き


20年ほど前だろうか、千葉県の利根川下流域には、小鮒を開いて串焼きにする「すずめ焼き」なる食べ物があることをこの本で知った。
以降、このエリアで調査をすることもしばしばあり、その都度探してはいたのだが、出会うことはできなかった。

ところが、本日、内業で煮詰まっているところに、現場から帰ってきた同僚が買ってきてくれた。なんと嬉しいことでしょう。感謝です。

このサイズのフナをひとつひとつ開くのは結構な手間だと思う。おそらくはタレにつけて焼いているのだと思うが、丸ごと焼くよりカリッと感が強く、煎餅のようで美味だった。開いているからこそ出る食感だろう。いくらでもいける感じだ。

こういう地域資源を生かした郷土料理は地域の環境と人とのつながりのバロメーターだと思う。最近、環境問題を考える切り口の一つとして生態系サービスという概念が提唱されているが、食ほど生態系サービスを実感できるものはなかろう。地球環境への危機感や、追いやられる野生生物への哀れみから考える環境保全を否定する気はないけれど、環境とのダイレクトなつながりから環境を考えるほうが個人的にはしっくりくる。
この料理もいつまでも残っていてほしいものだ。そして、今度は自力で出会いたい。

 

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