2014年4月17日木曜日

藻類食?

石面の付着物を食べるタナゴ(Acheilognathus melanogaster)

 
 
河床材料が石礫であることからなんとなく想像がつくかもしれませんが、この生息地の流速は60-100cm/sec程度とかなり速い。
タナゴ(Acheilognathus melanogaster)は、時折瀬脇の植物間などに入りながら、この速い流れの中で採餌行動をしています。ただし、こうした行動をとるのは大型の個体です。

小型の個体は河岸沿いの流れの緩い部分で、同様に付着物を食べています。
そう考えると、流れの速い中に行かなくても餌はあるわけでして、大きな個体にはあえて流れの中心に出ていく意味があるのだと思います。

流れの緩い場所で採餌する小型個体

藻類(流れの速い部分で新鮮なものが生育する)を食べていると考えるのが妥当なのかなぁ。
アユが一年で20cm以上になるのを見ていて時折感じるのですが、藻類というのはすごい餌資源なのかもしれない。

でも、そうだとすると止水にいる場合は何を食べているのだろう?

(2014.4.16撮影)

タナゴ(Acheilognathus melanogaster)の回遊

瀬を遊泳するタナゴ(Acheilognathus melanogaster)の雄個体


自分の知っているタナゴの生息地は流水の水路です。
ここにタナゴが現れるのは産卵期だけで、それ以外の時期は姿が見られなくなります。おそらく下流の比較的大きな河川へ下ってしまうのでしょう。
数年通っている経験から、産卵が始まるのはおそらく5月中ごろ。直前の4月には、写真のようにオスだけが現れます。

昆虫類などでは、雄が先に羽化して産卵場所へ先回りしているような話がよくあるようです。それと同じように、タナゴも一足先にオスが河川から遡上してくるのかもしれません。
ただ、4月中旬時点では、貝を防衛する行動は認められず、ひたすら採餌行動のみが見られます。
(2014.4.16撮影)

2014年4月13日日曜日

産卵行動体験記 ウグイ 4:深夜のお楽しみ

家に帰ると、予想通りかなり冷たい視線を浴びました。
しかし、実家効果とでもいうべきでしょうか。
思っていたよりも責め苦は厳しくありませんでした。子供のころ、やましいことがある時に友達と一緒に家に帰ると怒られにくかった。それと似たような感覚を覚えました。
なんとかやり過ごした私は、家族の寝静まった夜、自室でそっとパソコンを立ち上げたのでした。

フィールドでのドキドキ感はもちろん最高なのですが、フィールドでよいことがあった後の画像確認もたまらない時間です。
もっとも、ドキドキがガッカリになることもかなりありますが。


ウグイの産卵群とマルタの産卵群は隣接していたけれど、瀬の落ち込みが境界線になって、互いにきれいに分かれていた。
浅い瀬の主流部にいるのがマルタで、瀬脇の落ち込みの中にいるのがウグイだ。

群れの動きも違う。
マルタはみな、流れの中で頭を上に向けて定位しているのに対して。
これに対してウグイはというと、極めて不規則流。定位している時間は短く、横に前後にと激しく動きます。

ウグイの産卵群
マルタの産卵群

さて、個人的に一番気になるのが放卵放精の瞬間。
実はウグイの動画には産卵行動(放卵放精)の瞬間が写っています(何回かしているのですが25秒付近がわかりやすいかも)。しかし、この時間が実に短く、そしてわかりにくい。
マルタの場合、その瞬間がはっきりとわかるのですが(参考)、ウグイの場合は群れが動いている一連の流れの中で行われているようです。
また、放卵放精が行われる頻度が高いのも大きな違いといえそうです。

しかし、放卵放精時の動きを観察しようにも動きが早すぎたり、個体が重なったりしてよくわかりません。この辺りは幸運にも、カメラで撮影したスチル画像に放卵放精と思しき瞬間が何枚か捉えられていました。

2014年4月12日土曜日

産卵行動体験記 ウグイ 3:撤収

ウグイとマルタの産卵群の混群は、文献で読んだことはあったけれど、自分の目で見るのは初めてでした。それどころか、ウグイの産卵に撮影可能な体勢で遭遇したこともありませんでした。



ウグイ自体はどこにでもいる魚だし、人工産卵床を使った漁が行われているくらいだから産卵場もよく知られている。しかし、自然状態の産卵に会おうと思うとなかなか大変です。

基本的には春の雨後翌日に産卵するのですが、雨後でも産卵したりしなかったり、ある場所ではしなくても別の場所ではしていたり。家の前に川があるなら良いけれど、市街地に住む普通のサラリーマンが出掛けていって出会うのはなかなかにむつかしい。
かなりの部分、運だよりです。
かくいう私も、ここ数年探し歩いていたのですが、産卵していると言い切れる群れには遭遇できませんでした。

まさかこんな形で出会うとは…そう思いながら、動画と写真の撮影に没頭しました。

撮影することしばし、なにやら雲行きがかなり怪しくなってきました。天気予報で言っていた通り、雷雨が来そうだ。
ウグイに集中するあまり、マルタの撮影はあまりできなかったけれども、ここは安全第一。急いで撤収することにしました。

ちなみに、この時点で13時。帰る約束の時間を大幅オーバーしていました。
いつもこうして自分の家庭内での立場を危うくしているのだろうなぁ。

「こんなチャンスは二度とはいんだ!」
という主張は誰にも届かないのが痛いところです。
家に帰っていかに謝るか・・・そんなことを考えながら引きあげました。

産卵行動体験記 ウグイ 2:マルタだけじゃない!?

二時間ほど時間をつぶした後、ふたたび同じ瀬に戻りました。
すると、幸運なことに、釣り人達はいません。
午後から天候が崩れる予報だったので、そのせいかもしれません。

 
瀬をみれば、なおひっきりなしの水しぶき。止んでいる気配はありません。
ここ数年、春のマルタ釣りがブームとなっている多摩川で、こんなチャンスはまたとない。

「誰も来てくれるなよ!」

そう思いながら河原を走りました。

ヒップウェーダーで川を横断したため、股間部が激しく濡れていきますが、そんなことはまったく気になりません。
転がり込むように現場に向かいました。

「やった!」
周囲には誰もいない。

そっと水しぶきの上がる瀬近づいてみる。
・・・・・近くで見てもしぶきは止みません。
はやる気持ちを抑えきれず、瀬に立ち入り、早速カメラを向けました。

が・・・なんと、こんな大チャンスを前にカメラのシャッターがおかしいではないですか。
ハウジングをつけたままでは、全くシャッターが切れない。
イラついて瀬の中で立ち上がると、目の前で群れていたマルタ達が下流へ散っていきました。

さて、シャッターの不調ですから、カメラをハウジングから取り出して確認しなければなりません。
陸に移動するために、私は川の流心に向いていた体を反転させ、岸向きにしました。
すると、足元からは、また別の群れが散っていきました。

ハテ…?

散っていく魚たちだが、なにやらマルタより少し小さく、赤金色に見える。
「ひょっとして・・・ウグイ!?」
シャッター不良のカメラを手にしながら当惑することしばし、シャッターが切れぬならば…と、動画のスイッチをオン。そのまま川にぶちこみました。

別のカメラを取りにいったん車にもどり、帰ってきてカメラを川から回収。
動画を再生してみると、はたして記録されていたのは、赤黒金に色づいたウグイの産卵群でした。

2014年4月10日木曜日

産卵行動体験記 ウグイ 1:瀬に上がる飛沫

"ウグイ類の産卵を見るために必要な行動は二つ、一つは春に雨後翌日の川に出かけること、そしてもう一つは川についたら瀬をじっと眺めること。
瀬に水しぶきが立っていたらしめたものだ。きっとそこにはウグイの仲間が産卵している。
しかし、遭遇するのに一番必要な要素は運だと思う。"

 

年度の変わり目は年間でもっとも仕事が落ち着く期間だ。
子供たちも春休みということもあって、家庭内の行事が盛んになる。
しかし、私にとっては、同時に魚達が産卵に動き出す頃でもあることが悩ましい。

先週末は、実家に帰省していたのですが、川の様子が気になってしょうがない。
そんなわけで帰省中にもかかわらず、日曜日、午前中に帰ることを家族と約束して、近所をながれる多摩川へと向かいました。
お目当ては、マルタの産卵です。

川について下流方向へ歩くこと数分。
2つ目の蛇行部にあったチャラ瀬で、水しぶきが上がるのを見つけました。
かなり激しく、間断なく上がっている。
これまで見てきたマルタの産卵では、こんな状況は遭遇したことがありませんでした。

しぶきが一度上がると、数個体が水面から顔を出す。
しばらくして、別の場所で同じことが起きる・・・というのが産卵時のマルタの一般的な行動です。

今日のはよほどに大きなピークなんだなぁ・・・。そう思っていました。

この瀬にはすでに数人の釣り人がはいっていて、後から来た私が中に入ってカメラを構えるのはちょっと難しい感じでした。
そのため、とりあえず遠目から数枚、瀬の状況を撮影して、別の場所を探すことにしました。 

2014年4月6日日曜日

春のフィーバー

昨日から今日まで自分の実家に帰省。
昨日はじっとしていたが、今日は午前中川へと繰り出した。
で、成果はというと、コイとフナとウグイとマルタ、実に4種の淡水魚の産卵に出くわした。
こんな大当たりは初めてだ。

このところ、ジュズカケハゼ探索で外れ続けているので、なんというか外れ癖のようなものがついていた。だもんで、この大当たりぶりにはえらく動揺してしまった。
車に機材をとりに帰ってもどったら、さらに忘れ物に気づいて再び・・・という動きを繰り返すこと数回。決して近くはない距離の河原を歩き回っていたので、すっかり足がだるい。
今日の観察では、ウグイとマルタの産卵場と産卵行動の微妙だけれども結構明確な差異や、フナの産卵などに関して新発見が多かったのだが、それはまたおいおい個別に記すことにした。
忘れないようにしないとなぁ。

ウグイとマルタ
コイ
フナ(ギンブナ?)