2014年3月4日火曜日

論文雑感:牛津川近隣の農業用水路におけるツチフキの産卵環境

林浩介, 小山彰彦, and 鬼倉徳雄. "牛津川近隣の農業用水路におけるツチフキの産卵環境." 魚類学雑誌 60.2 (2013): 141-147.

昨年出版された魚類学雑誌の短報なのですが、訳あって読んだのはつい最近です。
かいつまんで内容を要約すると、ツチフキは産卵場所として岸から近く、流れのゆるい、泥底の環境を好み、抽水植物のない比較的開放的な環境を好むようです。
また、産卵場の水深は15cm以下とのことで、読んで一番に思ったのが、「陸上観察ができるじゃん!」ということです。

実際、この論文にも、本種が造るすり鉢状の巣が陸上から観察できることが書いてあります。いままでは泥底産卵だし、水中観察なんてムリだよなぁなんて思っていたのですが、水中に入る必要もありませんでした。
関東ではとても数が増えている種で、場所選びをしっかりすれば観察を楽しめる1種になりそうです。
産卵期は九州で4月上旬~5月中旬がピークとのこと、関東でもたいして変わらないのでしょうが、灌漑が始まってしまうと水深が一気に深くなり、観察が難しくなりそうなので4月中が勝負かな。
よーし、今年はマルタの次はこいつだな。

ちなみに、本稿のイントロ部分で書いてあった「東南アジアや中央アジアで外来種として確認されている」というのははじめて知りました・・・ナゼ?

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