2016年10月7日金曜日

利根川下流域のすずめ焼き


20年ほど前だろうか、千葉県の利根川下流域には、小鮒を開いて串焼きにする「すずめ焼き」なる食べ物があることをこの本で知った。
以降、このエリアで調査をすることもしばしばあり、その都度探してはいたのだが、出会うことはできなかった。

ところが、本日、内業で煮詰まっているところに、現場から帰ってきた同僚が買ってきてくれた。なんと嬉しいことでしょう。感謝です。

このサイズのフナをひとつひとつ開くのは結構な手間だと思う。おそらくはタレにつけて焼いているのだと思うが、丸ごと焼くよりカリッと感が強く、煎餅のようで美味だった。開いているからこそ出る食感だろう。いくらでもいける感じだ。

こういう地域資源を生かした郷土料理は地域の環境と人とのつながりのバロメーターだと思う。最近、環境問題を考える切り口の一つとして生態系サービスという概念が提唱されているが、食ほど生態系サービスを実感できるものはなかろう。地球環境への危機感や、追いやられる野生生物への哀れみから考える環境保全を否定する気はないけれど、環境とのダイレクトなつながりから環境を考えるほうが個人的にはしっくりくる。
この料理もいつまでも残っていてほしいものだ。そして、今度は自力で出会いたい。

 

ムンバイ湾のマッドスキッパー 2

ムンバイ湾で見かけたもう一つのムツゴロウがこちら、Boleophthalmus dussumieriである。先述のB.boddartiとくらべて少し長い(全長15cm位)の印象だ。 
体色は地味で、鰭には小さな青点が散在している。
どちらかというと日本のムツゴロウに近いように見える(見たことはないが)。 
体が大きい分、B.boddartiに比べ動きが重キビキビ感がない。泥面をズルズル動いているような印象がある。 
どうも、B.boddartiより沖合を好むようで、陸上からの観察では見える数は少ないが、船で流入河川に沿って少し沖の干潟に行くと泥面にいるのはB.dussumieriばかりになる。 
ちなみに、先述の漁法で採集されているのは主にこちらのようだ。

Boleophthalmus dussumieri(手前の個体はいずれもB.boddarti)



2016年10月6日木曜日

ムンバイ湾のマッドスキッパー 1

ムンバイ湾では2種のムツゴロウ属魚類を見かけた。 
干潟の泥面で暮らすいわゆるマッドスキッパーとしては、このほかに2種確認し、合計で4種がみられた。 
最も多く見かけたムツゴロウがBoleophthalmus boddartiである。 
青色の斑点が特徴的である。 
見る限り密度はかなり濃く、そこかしこにいる。 
当方、日本のムツゴロウは野外で見たことはないのだが、有明海もこんな感じなのだろうか。

Boleophthalmus boddarti

2016年10月5日水曜日

道の駅「みなかみ水紀行館」


に併設されている水産学習館に調査終わりに立ち寄ってみた。入館料大人300円也。
中は簡易の水族館のようになっている。道の駅に水族館併設というコンセプトは良いと思うのだが、展示されている種の半数以上はこの道の駅周辺の利根川にはいない種類。なぜ、アブラボテやビワヒガイを展示対象にチョイスしたのだろう。
また、ニジマスの一品種で養殖魚のギンヒカリなんてのがイワナやヤマメと並んで展示してあり、群馬県特産なんて書かれてしまうと、一般の人ならば普通に群馬の川にいる種類と誤解してしまうのではないかと老婆心を出してしまう。
個人的にはこの辺にいるイワナ、ヤマメ、ウグイ、カジカなどに特化した水族館だったら良いのにと思う。漁法や食文化も含めて解説してくれたりしたらうれしいが、あまり需要ないかな。


2016年10月4日火曜日

Kokum Juice


ムンバイでの最初の打ち合わせ後、現地協力会社の方々と食事に行った。
そこで食前に進められた飲み物がこちら。名をKokum Juiceという。
ストロベリーシェークのような見栄えから、絶対に甘いと思っていたのだが、味はまさかのスパイシー。甘さは一切なし。
一口目のギャップたるや驚くべきものがあった。
勧めてくれた方いわく、内臓によいのだとか。
Kokum Juice (コカムジュース)
 原料はGarcinia Indicaという植物の実である。
ご当地植物ものはあまり日本に入ってこないだろうから、日本で飲める場所は少ないだろうなぁ。
味的にもあまり日本人受けはしないと思う。
スパイスの風味を堪能できるようになれば一丁前なのだろうが、残念ながら2ヶ月程度の滞在ではそこまでは至らなかった。
最初から苦しそうな顔をするのも気が引けたので、「Taste Good!」的な発言をしたところ、以降一緒の食事のときは大体ついて来るようになってしまった。


ムンバイ湾のフラミンゴ


フラミンゴという鳥は内陸の塩水湖にいて、日がな一日浅場で立って暮らしているものだと思っていた。
ところが、ムンバイ湾のフラミンゴは海水の干潟で生活していた。

当たり前だけれど、干潟は海に接しているため潮位の干満がある。潮が引いているときは干潟の上を歩き回れるが、潮が満ちてくると水位が上がり、立っている事はできない。
多くの鳥類であれば昼にえさを食い、夜にねぐらに帰るという動きをしている(その逆も)。
一方、ムンバイ湾のフラミンゴはというと昼でも潮が高ければねぐらに向かうし、地元の人の話では真夜中でも潮が引いていれば干潟に来るという。つまるところ、通常の鳥が太陽にあわせて日周活動しているのに対して、ムンバイ湾のフラミンゴは潮の干満に対して日収運動している点が大きな特徴だと思う。

Lesser Flamingos feeding on the mudflat in Mumbai Bay, India

最近のヒット


1900年代前半に朝鮮半島から移植されたらしい。
関東平野にもそれなりにいたようだが、今ではまず見かけない。魚の調査にかかわってはや15年以上、初めてお目にかかりました。
絶滅危惧外来種ですな。
写真では見たことがあったけれど、野外の自然光のもとで見る実物は違う。色合いがすばらしい。

水槽に入れてみても鰭が長くて見栄えもするし、動きも愛嬌があってよろしい。
正直この魚、好きです。

チョウセンブナ(Macropodus Ocellatus)