富山に来ているのだから魚でも…と思ったが予算がないので、駅前のカレーが売りという謎のスナックへ行ってみた。
客は私一人。マスターが鮎の網をやるという話題をきっかけに、話は思わぬ方向へ。
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僕は新潟の津川出身でね。
阿賀野川に揚川ダム(1963年竣工)ができる前に、富山に来てしまったけれど、それまではよく川で魚を取っていた。
春先には箱めがねで川底を覗いてやすで突いてカジカを採った。
カジカを食べた記憶はない。もっぱら料理屋に売ってアルバイトをしていた。でも、カジカの卵は食べたなぁ。砂糖醤油で煮たのはおいしかった。
カジカが終わったら次はヤツメウナギ(カワヤツメ)が来る。藤の花が咲くころが一番いい時期だ。二本針の鈎針で採ったな。あれも売れた。あれは目の薬になる。
その後はアユ。おとりで釣ったよ。腹に傷があるからなんていって買い取ってもらえないことがよくあったな。
秋になるとマス(サクラマス)が大量に上がってきた。常浪川の支川、室谷川が産卵場になっていて、室谷川にかかる集落のつり橋の上に番兵という見張りを立てて、場所を指示させて突いた。マスってのは傷つくとすぐ弱る。突いて採れなくても、しばらく待っていると腹を出して転がりだす。
サケも来た。夜に駅の明かりで浅瀬を見て、あがってくるのを捕まえた。メスは採ったら横にしたらだめだ。卵がこぼれてしまう。頭を下にして立てておかないといけない。潜っても突いたが、突いたサケに引っ張られて死んだものもいた。
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複数のダムがある現在の阿賀野川では今は昔の物語。
サケもサクラマスもカワヤツメもみることはできないだろう。
こういう昔話を聞くとせつなくもあり、うらやましくもある。
ちょっとだけ辛いよ。と、出してくれた。実際結構辛かった。 |
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