2015年3月13日金曜日

科学記事雑感:閉経後のメスの役割


タイトルがなんだか刺激的になってしまったのだけれど、これはシャチのお話。

最近発表された論文によれば、シャチの群れでは年配のメスがリーダーになることが多く、とりわけ餌であるサケ類の資源量が少ない年には、閉経後のメスがリーダーとなって危機を逃れるのだそうだ。これは、年をとったメスのサケ類や周辺の環境に対する知識と経験が、群の存続に大きく寄与しているものと推論されている。
過去の報告では年をとったメスが死ぬと、翌年の群れ(特にオス)の死亡率がかなり上がることが知られており、今回の結果はこれに対する一つの答えを提示した形になる。

なお、自分自身の繁殖期間が過ぎた後も、ある程度長く生きる生物はシャチ、コビレゴンドウ、ヒトの3種だけらしい。象などは長生きだが、メスは閉経することはない。つまり、閉経は単なる老化ではなく進化的意義を持つ現象であると考えられ、今後はなぜそのような進化をしたのかを解明することが課題となるそうだ。

ちなみに、シャチのメスは90歳以上まで生きるが、オスの寿命は長くてもせいぜい50年らしい。母親がいなくなると死んじゃうし、寿命は短い…オスなんてこんなもんよね。まぁ、この記事では取り上げられてないだけで、雄には雄の見せ場あると信じよう。

個人的にはこの記事のコメント欄にある”So, is nature saying that Hillary should be president?(自然はヒラリーが大統領になるべきだと示してるんじゃないの?)というコメントが面白かった。

日本も子供を育て上げた経験を持つ女性がリーダーになったほうが良い国になるのかもなぁ…

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