2016年10月23日日曜日

ムンバイ湾のマッドスキッパー 5


ムンバイ湾の干潟には魚の観察に行ったわけではないのだが、そこかしこでマッドスキッパーに動き回られるとどうにもこうにも目がそちらにいってしまう。

なんというか、若者でにぎわう夏の海水浴場の近くの現場とおんなじ現象だ。


来た当初(3/20頃)、泥面にたくさんいるB.boddartiの密度の高さに驚く。この時は、個体同士互いに軽く干渉するものの、概してみな並んで平和にえさを食べている印象だった。

ところが、一週間ほどたったころ、突如泥面のあちこちで闘争行動が見られるようになった。泥面上で二個体が対峙し、背鰭を立て合て誇示し合う。体の大きさの差が顕著な場合は小さい方が立ち去る。体格が似通っている場合はお互いに口を開けて威嚇し、決着がつくと負けた方が立ち去る。

戦いに勝ったからといってすぐにメスを誘いに行くわけではなさそうで、勝ったら餌を食べ始める。と、いうか闘争行動をとっているのが本当にオス同士なのかも実のところ不明である。繁殖のための行動なのだろうと思うが、闘争に勝つことがどのように作用しているのかはよくわからなかった。

この行動は5日後にはほとんど見られなくなっており、短い間で彼らの間で何らかの力関係が決まるものと思われる。

また、泥面に同所的にみられたB. dussmieriのほうでも同時期に闘争行動が見られたが、こちらは少し陸から離れた場所で行動しておりあまりはっきりとは確認できなかった。闘争時間はB.boddartiに比べて短く、淡白な感じがした。
B.boddartiの闘争行動

B.dussmeiriの闘争行動
 
B.boddartiの闘争行動。勝者の立ち去り方が良い。

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