2013年5月10日金曜日

人間界という生息環境




最近の道の駅はすごい。
地場野菜やお土産類はもちろんのこと、GWに出かけた際によっ
たところでは生きた魚(金魚、メダカ、ナマズ、タナゴ、なんと貝ま
で・・・)が売っていた。


生きた魚をこういう場で売ることには賛否あるだろうが、とりあ
えずその議論はぬきにして、ずらっと並んだ金魚やメダカを見る
と、その多様な種類に驚かされる。


人間は他の種類の生き物の世話をするという妙な特性を持つ。
生存に関して役に立つ他の生物を世話をする種は結構いるが、綺麗
とかかわいいとかいう理由でも世話をするのは人間だけに思える。
本当はそういう場合もあるのに、知らないだけかも知れないけれど。。。

さて、すくなくとも金魚やメダカを見る限り、人間界はいまやこれら
の種にとっては一大生息環境であり、さらには種分化の舞台とな
っているといえそうだ。
きっと金魚もメダカも、人間の管理外の野外に生息している原種
より、人間が飼育しているもののほうが、数も多いし、遺伝的多
様性も高いんじゃないだろうか?

ひょっとすると、これまで自然環境の中で重要な役割を果たして
いた、環境を巧みに利用して生きる力や、異性の興味をひきつけ
る力を必要とする時代はもう古いのかもしれない。
代わって、人に気に入られる(かわいい、綺麗、珍しい、役に立
つ)要素こそが今後の種族繁栄、つまり遺伝子のコピーをできる
だけ保存していくためのキーになりそうだ。

人間界という生息環境は黙っていても餌ももらえるし、病気にな
ったら治療もしてもらえる。さらには、外敵に狙われる危険性も
ほぼない。
そのかわりといってはなんだが、配偶相手を選ぶのは人間で、あ
まり気に入られない特徴のない個体や、累代飼育が見込めない
一般家庭に出荷されたような個体は自動的に繁殖の機会すら与
えられない。
つまり、何もしなくてもいいのだが、遺伝的特性と運だけで将来が
全て決まってしまう。そういう意味ではなんだか努力のしようのな
い世界であり、いわゆる自然界とは違った意味でシビアに思える。

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